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「若い年代こそ最も優秀な指導者が必要」 フランス名将が主張した選手育成の重要性

「若い年代にこそ最も優秀な指導者が必要だ。そんな彼(ジェラール・ウリエ=当時フランス協会技術委員長)の考え方に、私も共鳴した」――アルフレッド・ガルスティアン(クーバー・コーチング共同創設者)

ジェラール・ウリエ【写真:Getty Images】
ジェラール・ウリエ【写真:Getty Images】

育成年代の選手に必要な技術という“土台”の構築

「若い年代にこそ最も優秀な指導者が必要だ。そんな彼(ジェラール・ウリエ=当時フランス協会技術委員長)の考え方に、私も共鳴した」――アルフレッド・ガルスティアン(クーバー・コーチング共同創設者)

 アルフレッド・ガルスティアンは、トム・バイヤーの突然の訪問を受け、以来「クーバー・コーチング」の普及に乗り出すことになった。

 今から25年も前のことだった。

「ウィル・クーバー(クーバーコーチングの創始者)のアイデアは素晴らしかった。若い選手たちの基礎は技術だからね。彼は攻撃面に焦点を絞り、スター選手たちの技を分析整理して、子供たちに指導する方法を確立した。さらに私は、それをフルプレッシャーの中で技術を上達させるところまで進化させた」

 アルフレッドは続けた。

「初期のクーバーは、一人が1個ずつボールを持ち、ボールワークのみを行っていた。もちろん今でも、ボールマスタリー(ボールコントロール、コーディネーション、柔軟性の向上を目指した反復ドリル)がすべての土台となっている。

 一方でトレーニングには4つの要素がある。技術、戦術、メンタル、フィジカル。しかし全ての土台になるのは技術だ。だから私たちは、5歳から15歳の子供たちには、技術を中心に教えていくことになる。技術という土台さえしっかりしていれば、その上になんでも乗せられるからね」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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