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「ミスを怖れない」子供をいかに育てるか 外国人指導者が抱いた日本スポーツの課題

アルフレッド・ガルスティアンは、世界に普及する育成メソッド「クーバー・コーチング」の創始者の一人である。母国イングランドに限らず、フランス、ドイツ、イタリア、ブラジル、米国など、世界を幅広く飛び回り、テクニカルな指導やアドバイスを送っているが、日本にもコンスタントに留まり指導に時間を割いている。フランス協会とも長く良好な関係を続け、アーセン・ベンゲル(アーセナル前監督、名古屋グランパス元監督)とも日本の事情について話すことが少なくないという。

ピッチ上でミスをすることを怖れない子供の育て方とは【写真:Getty Images】
ピッチ上でミスをすることを怖れない子供の育て方とは【写真:Getty Images】

世界で子供たちにサッカーを指導、ガルスティアン氏が感じた日本人の特徴

「間違ったことを話すことを怖れない。ピッチ上でミスをすることを怖れない。そういう子を育てていきたい」――アルフレッド・ガルスティアン(クーバー・コーチング共同創設者)

 アルフレッド・ガルスティアンは、世界に普及する育成メソッド「クーバー・コーチング」の創始者の一人である。母国イングランドに限らず、フランス、ドイツ、イタリア、ブラジル、米国など、世界を幅広く飛び回り、テクニカルな指導やアドバイスを送っているが、日本にもコンスタントに留まり指導に時間を割いている。フランス協会とも長く良好な関係を続け、アーセン・ベンゲル(アーセナル前監督、名古屋グランパス元監督)とも日本の事情について話すことが少なくないという。

「ベンゲルも言っていたよ。日本の選手たちには学ぶ姿勢があり、真剣にトレーニングに取り組み、技術も敏捷性もある。指導者も情熱的で、フェアプレーの精神を大切にしているとね。私が見ても、日本の子供たちは、非常に規律正しく、人の言うことをよく聞く。ヨーロッパでは、背中で何か物音がしただけで、みんないっぺんに気を取られてしまうのにね。

 でも一方で、日本では自分から質問をしてくる子が少ない。だから日本のプログラムでは、子供たちがコミュニケーションを取ることを重視しているんだ。間違ったことを話すことを怖れない。ピッチ上でミスをすることを怖れない。そういう子を育てていきたいと考えている」

 怖れずにチャレンジし、技術を習得すれば必然的に自信が生まれる。よく欧米のアタッカーがエゴイスティックな部分を備えているというが、それは自分でチャレンジし、結果に対しても責任を持つだけの確信を抱いているからだ。

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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