“大阪の血”が生む大胆不敵な歴代アタッカー サッカーの地域性を元Jリーグ監督も実感
G大阪ユースで重視する「俺に出せ」の心意気
――関西全般の特徴ですが、特にG大阪の育成ではサイドからゴール方向に崩す、仕掛ける選手が多く出ています。
「ボックスに近づくほど、ウチの選手たちの良さが出ますね。(G大阪のユースは)基本、そういう練習が多いし、そこは意識してやっています。サッカーはまず個人があって、次にグループ、チーム全体があるんですが、とにかく個のところでボールを奪える、はがせる、ゴールを奪える、というのが“大阪の血”なんじゃないかと感じるんです」
――その資質を持った選手と、それを尊ぶ土地柄とが密接にリンクしているんですね。
「ユース監督として、小学生のセレクションとかも出るんですけど、めちゃくちゃ、その素材はいますね。小学校からジュニアユースへのスカウトの段階で、まずは『シンプルに上手い選手』というのがあって。それを、どうやってそのまま伸ばすか。この地域の特徴は、とにかくボールを受けるのを怖がらない。とにかく、『俺のところに出せ!』なんで。
ただ、最近はそれが少し薄れてきているのもあります。判断、ポジショニング、動き方、技術は重要ですけど、一番は『俺のところに出せ』っていう心意気で、そこを意識したトレーニングを自分はしています。今年入った中1とか、すごく大阪的ですよ!」
――大阪らしさは東京や東北の真面目なチーム、選手たちと対戦すると際立ちますね。
「去年、クラブユースの全国大会で、関東のチームと対戦した時に嬉しかったのは、『ガンバの選手がペナルティーエリア近くに来ると“刺される”気がする』と相手の監督さんに言ってもらったことがあって。やっぱり、関東にはあまりない気質なんでしょうね。U-23の時も、福島の松田(岳夫)監督に、『なんでそんな自由になんの? どんな練習してんの?』って(笑)。自分たちからしたら当たり前でも、違うものなんだなと」