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「怒鳴る」に待った、「伸び伸び」にも注意 元大リーガー岩村明憲が語る指導論

チャンスで強いか、ピンチで強いか――我慢する力の大切さ

「『伸び伸び』といって、好き勝手にやらせるのは違うと思う。やっぱり基礎は必要だよね。中学高校と進む中で、『お前、そんなことも聞いてないの?』ってなるから。ダメな指導者は『伸び伸び』という言葉に囚われ過ぎて、肝心なことを伝えられていない。それだと、子供が上に行ってから苦労するから、そこは小学生からしっかり教えてほしいね。

 それと同時に、ピンチを迎えた時に我慢する強さも身につけてほしい。プレッシャーに押し潰されそうになった時、自分で耐え抜く精神力があるかどうか。チャンスで強いか、ピンチで強いか。チャンスの時なんて、誰だって何とかなるもの。だけど、徳俵に足が掛かったピンチの状態で堪えられるか。そこから簡単には相手を押し返せない。でも、最後でうっちゃりに持っていけるか。あるいは、いなせるか。ヤバイと思った時に逃げ出さないで我慢する力って、野球だけじゃなくて生活の中でも一番大事だよね。

 ただ、小学生の野球指導で全国的に問題になっているのは、いまだに自分のエゴで怒鳴り散らす指導者が多いこと。エゴで怒鳴っても子供たちの精神力は鍛えられない。高校生が相手じゃないんだから。小学生にはできないこともある。そこを怒鳴り散らさずに付き合うのが指導者だと思う」

 選手という立場に加え、監督、指導者、球団代表、父親など、様々な角度から野球と向き合う中で、子供の頃に身につけた「野球の基礎」の大切さを改めて感じることがあるという。

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