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「日本代表監督は男冥利に尽きる」 理想を捨て“不細工なサッカー”に徹した知将の美学

痛恨の予選敗退を契機に、本格的にプロ化の道へ

 しかし3週間開いたことで、中国はしっかりと日本を分析し、対策を立てて東京・国立競技場でのアウェー戦に臨んできた。結果は日本が0-2の敗戦。五輪切符が手のひらからこぼれていった。

 だが専守防衛でも五輪出場を逃した痛恨の予選を契機に、ようやく日本サッカーは本格的にプロ化へと動き始める。

「当時は対戦相手国の情報を集めるのも自腹でした。あまりに負担が大きいのでやめた方がいいと忠告してくれた人もいます。でも、やはり日本代表監督は男冥利に尽きるじゃないですか。悩んだ末に、お引き受けすることにしたんです」

 どん底を支えた知将が、また一人、この世を去った。(文中敬称略)

※石井義信氏は、4月26日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈り致します。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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