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「サッカーの故障の80%は防げる」 オランダ人指導者が掲げた“選手目線”の理論とは

「サッカーに求められる能力」は4つ、実現にはフレッシュな状態を保つことが大前提

「結局たくさん走ればいいと考える指導者は、主観的なトレーニングに終始している。それに対して私の理論は、純粋にサッカーを分析することで成り立つ客観的で普遍的なものだ。私は正しいサッカーのビジョンのメッセンジャーに過ぎない」

 フェルハイエンが考える「サッカーに求められる能力」は次の4つだ。

1.より質の高いアクション
2.そのアクションの頻度を上げる
3.アクションの頻度の維持
4.優れたアクションの継続

 いずれにしても、それらを実現するにはフレッシュな状態を保つことが大前提になる。

「ほとんどの故障は疲労に起因する。故障をした動きは、サッカー人生の中で数えきれないほど繰り返している。ところが、(疲労すると)脳から筋肉レベルへの信号が遅れるから故障が起こる。だから筋肉レベルでの故障の大半は、防げるものなんだ」

 日本でもこうした理論を学ぶ若い指導者は増えている。しかし日本の指導現場では、依然として年功序列が大勢を占めている。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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