日本サッカーの真の底上げとは ブラジル帰りの元プロ選手が感じる育成年代の課題
「ブラジルに中学年代までの全国大会なんてありません」
「ユースで全国制覇をしてもプロへの昇格がゼロでは本末転倒です。僕が在籍中のポルトゲーザはユースがブラジルナンバーワンになったんですが、クラブはサブも含めて全員とプロ契約をしましたからね」
逆に前回紹介した現在ニューウェルス・オールドボーイズ(アルゼンチン)に在籍する鷲野晴貴と同様に、小学生時代にナショナルトレセンに選ばれながら、中学年代はどこのチームにも所属せずにスクールでの練習に集中した子もいたそうである。
「スクールの子を集めてブラジルのチームと試合をした時も、この子が最も高い評価を得ていました。ここでの紅白戦をこなすだけでも十分に上手くなれます。結局ブラジルにも、中学年代までの全国大会なんてありませんからね。逆にスクールでの紅白戦を、そこまでの真剣勝負に持ち込むようにしています」
利き足の技術を高め、シンプルなタッチやキックに凝縮する。つまりそれこそが、檜垣の描く基本だ。
「ブラジルでも一番多かったトレーニングが2タッチゲームでした。一発で利き足を使えるところにボールを収める。そこが最も重要だということです」