日本人はコロナ禍をどう生きるべきか 名将エディー氏が説く「千と千尋の神隠し」の心
「THE ANSWER」が各スポーツ界を代表するアスリート、指導者らを「スペシャリスト」とし、第一線を知る彼らだからこその視点でスポーツ界の話題について語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。スペシャリストの一人として、ラグビーの世界的名将として知られるイングランド代表ヘッドコーチ(HC)、エディー・ジョーンズ氏がラグビー界のトレンドから自身の指導論まで、定期連載で明かす。
「THE ANSWER スペシャリスト論」ラグビー指導者 エディー・ジョーンズ
「THE ANSWER」が各スポーツ界を代表するアスリート、指導者らを「スペシャリスト」とし、第一線を知る彼らだからこその視点でスポーツ界の話題について語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。スペシャリストの一人として、ラグビーの世界的名将として知られるイングランド代表ヘッドコーチ(HC)、エディー・ジョーンズ氏がラグビー界のトレンドから自身の指導論まで、定期連載で明かす。
今回のテーマは「新型コロナウイルスの脅威から日本人は何を学び、どう乗り越えるべきか」。コロナ禍により世界中の人々の生活が一変したが、各国にワクチンが普及し、未曾有の困難を克服するべく前進している。日本ではワクチン接種が始まった一方、3度目の緊急事態宣言が出された地域があり、東京五輪の開催を巡っても揺れている。ラグビー日本代表HCとして2015年ワールドカップで南アフリカ戦勝利に牽引するなど、様々な逆境と困難に打ち勝ってきたエディー氏に、先行きが見えない状況を乗り越えるアドバイスを聞いた。(取材・構成=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
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新型コロナウイルス感染症は、世界を大きな不安と恐怖で包み込み、私たちの生活を一変させました。一時は少し先の未来でさえ分からない状況でしたが、現在はワクチンが開発され、各国で接種が進んでいます。私が住むイギリスでもワクチン接種の拡大に伴い、少しずつではありますが、以前の生活が戻りつつあります。
コロナ禍の下、会食や旅行の機会が減ったり、行動の自由が制限されたり、気分が滅入ってしまう人も多いことでしょう。他者とコミュニケーションを取る機会が減り、人と人との繋がりが希薄になってきたことも、悲観的な考えを助長してしまう一因かもしれません。では、私たちはどうやってこの状況を乗り越えればいいのでしょうか。
私はまず、現状を受け入れることが大事だと考えています。
この世の中には、自分がコントロールできること、そして自分ではコントロールできないことがあります。例えば、新型コロナウイルスが拡大してしまったことは、自分ではどうにもならないことです。ただ、未来に向けてウイルス拡大を減らすことは、不急の行動を自粛するなど一人一人の努力でコントロールできること。状況が刻一刻と変わる中で、自分がコントロールできること、できないことを見極める判断力が必要になります。