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選手の“心”に寄り添える指導者とは 為末大「落ち込んだ時こそ手腕が一番試される」

選手が受ける指導者からの「言葉」についても言及した【写真:堀浩一郎】
選手が受ける指導者からの「言葉」についても言及した【写真:堀浩一郎】

指導者と選手、どちらかが一方的に影響を与えているのではない

 例えば、指導者から受ける助言の中で厳しいと思う「言葉」があるとします。そんなとき、まずは指導者の隣に立って最後まで話を聞き、話が終わった後に、選手が指導者に自分なりの解釈をぶつけてみる。その中で、こういう言葉なら納得できるというものを、選手が指導者に暗に伝えてみます。指導者が厳しい言葉を使っている最中にそれを変えるのは難しいでしょう。どんな人でも、全部を思い通りにコントロールすることは不可能ですが、それでも、それぞれができることを少しずつでも実行すれば、思っている方向に少しだけでも変えられるという考えを持つことが大事だと思うのです。

 つまり、選手は指導者から厳しい言い方をされたとき、「辞める、辞めない」と自分を追い込むのではなく、「自分が変えられることがあるのでは」と少しでも考えてみるといいと思います。指導者が優秀なら、そういうことも分かっているはずです。選手、指導者、どちらかが一方的に影響を与えるのではなく、双方向に影響される。それを抵抗しないで受け入れることができる指導者がいい指導者ではないかと思います。

 人は本質的に、影響を与えられるよりも、与える方を好みます。選手についても同じことが言えます。もし選手が指導者に影響を与えていると感じられれば、それが自信につながるし、コミュニケーションのバランスも良くなると思います。

 では選手から何か提案された指導者はどうすればいいのでしょうか。例えば、選手のアイデアをそのまま採用するのもいいと思います。変えられないと思っていたものが変えられると知ることは大きい。だから、ダメもとで選手も指導者に提案してみるなど、自分ができることに挑戦してみるといいと思います。

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