バスケ界で痛感した日本と外国の差 成長期スポーツ選手の「成長力」を引き出す指導法
スポーツメディア「TORCH」は「部活動・日本のジュニアスポーツを考える」をテーマにオンラインミーティングを展開している。その3つ目のセッションで、江戸川大学男子バスケットボール部、実践学園中学校男子バスケットボール部でアスレティックトレーナーを務める星川精豪氏が登場。「バスケットボールの指導現場から学ぶ、ジュニア選手の成長力を引き出す指導の実践」をテーマに講演をお届けする。
TORCHのオンラインミーティング「部活動・日本のジュニアスポーツを考える」レポート
スポーツメディア「TORCH」は「部活動・日本のジュニアスポーツを考える」をテーマにオンラインミーティングを展開している。その3つ目のセッションで、江戸川大学男子バスケットボール部、実践学園中学校男子バスケットボール部でアスレティックトレーナーを務める星川精豪氏が登場。「バスケットボールの指導現場から学ぶ、ジュニア選手の成長力を引き出す指導の実践」をテーマに講演をお届けする。
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日本バスケットボール協会に所属し、各年代の日本代表チームに同行するなかで、日本チームと外国チームとのレベル差を痛感してきたという星川氏。部活の指導をするなかで星川氏が掲げているのは「バスケットボールを通し、人生を豊かに」というテーマだ。普段から選手たちへ伝えている2つのことを語った。
「1つ目は、ちゃんと頑張れば、必ず成長できるということで、2つ目は、大好きなバスケットボールで学力(非認知スキル※1)をあげられるということです」
特に2つ目を意識して伝えている背景には、スポーツ選手からよく「学校での勉強が社会で何の役に立つのか分からない」と言われることがあるのだと言う。学んだことを実践に役立てるには、持っている知識を直面している問題に活用する能力を育てなければならない。星川氏はスポーツを通してその力を身につけることができると考えているのだ。
「私はスポーツ選手の指導をする際は、彼ら彼女ら自身が目標達成のために状況を把握、判断できる力を養うことができるように心掛けています。何が起こっても状況を判断しながら考え、成長できる力を身につけられれば、人生は豊かになると考えています」
さらに星川氏は、ジュニア期に関わるアスレティックトレーナーとして、より具体的に意識している3つのことを挙げた。
「1つ目はアダプティブラーニング(※2)です。これまでの教育現場では、人数が多く学年単位やチーム単位で指導内容を考えていました。しかし、子どもたちは一人ひとり違う悩みや課題を抱えています。それぞれが抱えている悩みや課題に個別に対応しようと試みています。
2つ目は外傷・障害の予防です。スポーツ選手の中には、ジュニア期に負った怪我に悩まされている人も多くいます。最近はオスグッド・シュラッター病(※3)により身長に影響が出ているのではと言われておりますので、それも含めて予防ができればと考えています。
3つ目はアントラージュ(※4)コミュニケーションです。スポーツ選手に関わる全ての人々としっかり連携を取り、支えていきたいと考えています」