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夏の猛練習は「美談」ではない 指導者が意識すべき成長機会を“奪っている”可能性

毎日練習場や試合場に足を運ぶことが、本当に成長につながるのか

 朝から晩まで練習や試合に明け暮れることは正しい努力なのだろうか。毎日毎日練習場や試合場に足を運ぶことが、本当に成長につながるのだろうか。むしろ心身を痛めつけ、成長が止まってしまったり、ひどい時には成長曲線が下を向いてしまうことだってあるのだ。

「一日に4時間練習しています。週末には7時間練習しました」

 これは“美談”ではないのだ、ちっとも。強いてはいけない。強制する大人は、彼らの貴重な時間と成長の機会を奪っている意識を持たなければならない。

 成功するためには、ハングリーでなければならないという。もちろん自分から高い意識で取り組むことは間違いなく大切だ。自然にそういうことができる選手だっている。だからといって、それだけしか成功への道がないわけではないのだ。

 四六時中、そのスポーツのことだけを強制的に考えさせるよりも、休む時は休み、遊ぶ時は遊び、勉強する時は勉強して、そしてやるべき時にしっかりと全力でトレーニングできるほうが、選手としても、人としても成長できる場合が多いということを、忘れてはいけないのではないだろうか。

(中野 吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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