幼稚園児が楽しくサッカーをする環境とは ドイツで最適化されたルールと開催方式
「この年代の子供たちはまだサッカーが全てではない」
それを「どうしようもないからしょうがないね」で終わらせるのか。あるいは頑張ればなんとかなるルールにすべきなのか。大人側からのアプローチで、環境はいくらでも改善することができる。
ドイツ・サッカー連盟の公式ホームページで、ミッテルライン州サッカー連盟専任指導者マルクス・シェンクさんの興味深い見解を見つけたので、ここで引用して紹介したい。
「子供やそのご家族が、サッカークラブへの一歩を踏み出しやすい環境を整えたい。この年代の子供たちはまだサッカーが全てではない。他にも楽しいことをたくさんやりたいし、他にも楽しいことをいろいろとやるべき時だ。試合が多すぎるのは良くないし、“試合”という形で開催するのも考えるべきだと思う。そうすることで大きくなってもサッカーをやりたい! と思う子供が増えてくれれば、みんなにとってプラスになる」
ルールやオーガナイズを最適化してあげることで、子供たちにサッカーそのものを体験してもらい、それを通してサッカーの楽しさを伝えていく。人数が多すぎたり、フィールドが広すぎたりしてほとんどボールに触れない形式は、“サッカーっぽい”別の何かでしかない。子供たちが自然と必要なことに向き合い、大事なことを学べる環境を作ることが大切なのだ。
【了】
中野吉之伴●文 text by Kichinosuke Nakano