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幼稚園児が楽しくサッカーをする環境とは ドイツで最適化されたルールと開催方式

「この年代の子供たちはまだサッカーが全てではない」

 それを「どうしようもないからしょうがないね」で終わらせるのか。あるいは頑張ればなんとかなるルールにすべきなのか。大人側からのアプローチで、環境はいくらでも改善することができる。

 ドイツ・サッカー連盟の公式ホームページで、ミッテルライン州サッカー連盟専任指導者マルクス・シェンクさんの興味深い見解を見つけたので、ここで引用して紹介したい。

「子供やそのご家族が、サッカークラブへの一歩を踏み出しやすい環境を整えたい。この年代の子供たちはまだサッカーが全てではない。他にも楽しいことをたくさんやりたいし、他にも楽しいことをいろいろとやるべき時だ。試合が多すぎるのは良くないし、“試合”という形で開催するのも考えるべきだと思う。そうすることで大きくなってもサッカーをやりたい! と思う子供が増えてくれれば、みんなにとってプラスになる」

 ルールやオーガナイズを最適化してあげることで、子供たちにサッカーそのものを体験してもらい、それを通してサッカーの楽しさを伝えていく。人数が多すぎたり、フィールドが広すぎたりしてほとんどボールに触れない形式は、“サッカーっぽい”別の何かでしかない。子供たちが自然と必要なことに向き合い、大事なことを学べる環境を作ることが大切なのだ。

【了】

中野吉之伴●文 text by Kichinosuke Nakano

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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