ふたば未来学園、涙の女子団体4連覇 鍵は“鬼”と化した主将の声「もっとできる!」
全国高校総体(インターハイ)のバドミントンは2日、熊本・八代トヨオカ地建アリーナで行われ、女子団体戦ではふたば未来学園(福島)が埼玉栄(埼玉)を3-1で下し、4連覇を達成した。「勝って当たり前」のプレッシャーをキャプテンの奮闘で乗り越えて栄冠をつかんだ。
選抜決勝で敗れた埼玉栄に雪辱、勝者のメンタルで乗り越えた4連覇
全国高校総体(インターハイ)のバドミントンは2日、熊本・八代トヨオカ地建アリーナで行われ、女子団体戦ではふたば未来学園(福島)が埼玉栄(埼玉)を3-1で下し、4連覇を達成した。「勝って当たり前」のプレッシャーをキャプテンの奮闘で乗り越えて栄冠をつかんだ。
主将の染谷菜々美(3年)が最後の得点を奪うと、ベンチから歓喜の悲鳴が上がった。春の全国選抜決勝で敗れた埼玉栄に勝利。4連覇を決めたキャプテンは「3連覇は先輩たちが成し遂げた結果。今年は今年で自分たちの勝負。自分たちで奪い取っていこうとやってきた」。抱き合って涙を流し、全員で喜びを分かち合った。
選抜で埼玉栄に敗北後、染谷は心を鬼にした。「それまでも一生懸命やってきたつもりだけど、まだ足りない」。不足していたのはチーム力。一人が練習で思い通りにいかないと、全体の雰囲気が悪くなる。苦しいトレーニングでも声を掛け合わない。本多裕樹監督も「チームがバラバラにだった」と心配する時期があった。
染谷は、周りがくじけそうになった時に「頑張って!」「もっとできるよ!」と前向きな言葉で積極的に声掛け。7月になっても「やっぱり今のままじゃ足りない。優勝できるチームになっていない」と危機感を感じ、声出しの練習にも取り組んだ。「小さい!」「もっと出して!」。主将の声が誰よりも響き渡り、呼応するように仲間がついてきた。この日の決勝のスタンドでは、準決勝で敗れた男子たちも応援に参加。大声援で会場の雰囲気を奪い取った。
大会前には先輩たちが現役選手のグループLINEに加入。チームのために戦うことを説かれたなか、共通して言われたのは「最後なんだから楽しんでやってきな」だった。「(1ゲームを奪う)21点を獲るまで気を抜かない。勝ち方を先輩たちから教わっている」と指揮官。勝者のメンタルを植え付けられて大舞台に乗り込むと、ベンチ外のメンバーも飲み物の準備や荷物運びなどでサポートした。