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ふたば未来学園、昨年覇者に下剋上 6年前の“伝説”映像で奮起「顔つきが変わった」

全国高校総体(インターハイ)のバドミントンは1日、熊本・八代市東陽スポーツセンターなどで開幕し、男子団体戦に臨んだふたば未来学園(福島)は、3回戦で昨年覇者の埼玉栄(埼玉)を3-2で下し、下剋上を果たした。今春の全国選抜で敗れた相手へのリベンジに成功。2017年以来の全国制覇へ、2日の準々決勝で札幌龍谷(南北海道)と対戦する。

ふたば未来学園が埼玉栄を下す【写真:荒川祐史】
ふたば未来学園が埼玉栄を下す【写真:荒川祐史】

2年ぶりの全国制覇へ、春に敗れた昨年王者・埼玉栄にリベンジ成功

 全国高校総体(インターハイ)のバドミントンは1日、熊本・八代市東陽スポーツセンターなどで開幕し、男子団体戦に臨んだふたば未来学園(福島)は、3回戦で昨年覇者の埼玉栄(埼玉)を3-2で下し、下剋上を果たした。今春の全国選抜で敗れた相手へのリベンジに成功。2017年以来の全国制覇へ、2日の準々決勝で札幌龍谷(南北海道)と対戦する。

 まるで優勝したかのような騒ぎだった。フルゲームまでもつれ込んだ最終第5試合。20-15のマッチポイントからふたば未来学園の李正(3年)が1点をもぎ取ると、ベンチから選手たちが絶叫しながら飛び出した。もみくちゃになって積み重なったふたば未来学園メンバー。星大智監督は「気持ちを前面に出して戦った。選手も、スタンドの応援も、身を乗り出してやってくれたのが伝わった」と目を細めた。

 春の全国選抜3回戦で埼玉栄に敗北。王者の圧力に押しつぶされた。試合途中に漂った敗戦ムードを覆せなかった試合に「(埼玉)栄さんは凄い勢いだった。それを押し返す力をつけていこうとしてきた」と指揮官。今大会、選手たちを奮い立たせたのは“伝説”の映像だった。

 13年に富岡高として初優勝。今大会の2日前、先輩たちが栄冠を勝ち取ったYoutubeの映像をグループLINEで共有した。最後は足がつりながらも懸命に戦うがむしゃらな姿。逆転勝ちでスタンドは一体となっていた。19歳以下日本代表の稲光翔太郎(2年)は「技術だけじゃ勝てない。みんなが一緒にならないといけない」と自身の試合以外でも声を出し続けた。

 1-2で迎えた第4試合は負けたら終わり。しかも相手は6年前と同じ埼玉栄。土壇場を託された稲光は3年生を相手に勇敢に立ち向かい、勝利でバトンをつないだ。星監督も「試合前の顔つきが変わった。『戦うぞ』という表情になっていた。気持ちで引かなかった」と成長を実感。劣勢に立たされても、声を張り上げ一つになった。

 ふたば未来学園は中高一貫校。4月に入学した1年生は、昨夏の全国大会でシングルス、ダブルス、団体戦で3冠を達成したメンバーだ。最強世代の加入にも、指揮官は「(2、3年生は)選抜での負けは自分たちで取り返すつもりだった」と上級生の意地を見た。

 稲光は「優勝候補に勝ったけど、油断せずにチームのために頑張りたい。中学2年の時は自分のせいで負けた。(同じ)先輩たちに恩返ししたい」と活躍を誓った。2年ぶりの栄冠まであと3勝。強烈な一体感を放ち、ライバルたちを飲み込んでいく。

◇インターハイのバドミントンは8月1日から8月5日まで熱戦が繰り広げられる。今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。インターハイ全30競技の熱戦を無料で配信中。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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