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陸上部のない中学で全国1位に 農道を一人走り込み、長崎の離島から夢叶えたランナー川原琉人の夏

夏の北海道に長崎の離島から夢を叶えた一人の高校生がいた。2日に札幌市厚別公園競技場で行われた陸上の全国高校総体(インターハイ)、男子1500メートルに五島南の川原琉人(3年)が出場。3分52秒38の組7着で予選敗退に終わったが、中学時代に3000メートル全国1位になった逸材は転校を経て、指導者不在でわずか5人の陸上部、離島というハンデを乗り越え、全国の大舞台を駆けた。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

さまざまなハンデを乗り越え、インターハイに出場した五島南・川原琉人【写真:荒川祐史】
さまざまなハンデを乗り越え、インターハイに出場した五島南・川原琉人【写真:荒川祐史】

五島列島にある五島南の3年生、転校して故郷の福江島から出場したインターハイ

 夏の北海道に長崎の離島から夢を叶えた一人の高校生がいた。2日に札幌市厚別公園競技場で行われた陸上の全国高校総体(インターハイ)、男子1500メートルに五島南の川原琉人(3年)が出場。3分52秒38の組7着で予選敗退に終わったが、中学時代に3000メートル全国1位になった逸材は転校を経て、指導者不在でわずか5人の陸上部、離島というハンデを乗り越え、全国の大舞台を駆けた。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 農道を走り込み、鍛えた脚を必死に回した。

 15人で争われた1500メートル予選3組。川原は集団の6、7番手付近で力を溜めた。勝負のラスト1周。全国のライバルがスパートをかけると、歯を食いしばり、必死に食い下がる。ただ、自動的に決勝進出できる組3着には及ばず、3分52秒38で7着。

「県では通用するけど、全国では自分がどのレベルなのか分からなかった。自分的にはスパートを磨いてきたつもり。でも、まだまだ上がいるなと痛感しました」

 温もりのある訛りで悔しさを語ったが、眼鏡をかけた表情はどこか晴れやかだった。

 長崎・五島列島のひとつ、福江島の生まれ。山梨学院大の箱根駅伝ランナーだった叔父に憧れ、小1で「陸上やる!」と言った。進学した中学に陸上部はなかったが、陸上経験者だった祖父・高弘さんの指導を受け、3000メートルで全国1位のタイムを出すまでに羽ばたいた。

 卒業後、島を出て県内の強豪校に単身進学したが、指導方針に合わない部分があって伸び悩んだ。2年生だった昨年7月に地元の五島南に思い切って転校を決断。福江島は五島列島で最も大きく人口は3万人を超えるが、しかし――。

「うちから近くのコンビニまで10キロ。学校までは5キロあるので、自転車で通ってます(笑)」

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