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【競泳】今井月をまた少し大人にした4日間 「誰かのために」を思い、幸せを感じた18歳の夏

想像を超える「最高の夏」になった。全国高校総体(インターハイ)の競泳(日本ガイシアリーナ)で、16年のリオデジャネイロ五輪に弱冠15歳ながら出場した豊川・今井月(3年)が4冠を成し遂げた。

個人と団体で4冠を達成した今井月(3年=豊川)【写真:荒川祐史】
個人と団体で4冠を達成した今井月(3年=豊川)【写真:荒川祐史】

「この夏、私にはインターハイしかない」と言って挑んだ涙と笑顔の18歳初レース

 想像を超える「最高の夏」になった。全国高校総体(インターハイ)の競泳(日本ガイシアリーナ)。全国から集まってきた高校生の中に一人、この大会にかける五輪スイマーがいた。豊川・今井月(3年)。16年のリオデジャネイロ五輪、弱冠15歳ながら世界の夢舞台に立った。しかし、東京五輪を2年後に控えた夏、18歳がまとっていたジャージは日の丸ではなく、母校のものだった。

「代表落ちした時はすごく悔しかった。その分、インターハイは絶対、活躍しようと」。同い年の池江璃花子(ルネサンス亀戸)はパンパシ水泳で国際大会初の金メダルを獲得。テレビ画面の中で君が代を歌う姿に刺激を受け、悔しさをエネルギーに変えた。大会中、事あるごとに「この夏、私にはインターハイしかない」と言った。思いをすべてプールにぶつけた。

 初日の200メートル個人メドレーを2分11秒00の大会新記録で制すと、アンカーを務めた女子400メートルリレーでは1位と2秒以上の差がついた2位で飛び込み、圧巻の泳ぎで逆転V。3日目の100メートル平泳ぎは1分07秒41の大会新記録で3連覇を達成し、800メートルフリーリレーで銅メダル。そして、最終日の400メートルメドレーリレーで4冠を達成し、大会を締めくくった。

 国際大会ではない。でも、だからこそ得られた収穫があったことも事実だ。相手は高校生。「怖がるものはない。積極的にいけば、どうにかなる」。200メートル個人メドレーは最初のバタフライで27秒87をマーク。100メートル平泳ぎは前半50メートルで32秒02と手応えのあるタイムを残した。自己ベストには届かなくとも泳ぎの引き出しは増え、さらなる進化のきっかけになった。

 そんなレース内容について「平泳ぎも成長しているかなと思うし、今後につながるレースができている。1日4種目はキツイけど、メンタル的に成長しているし、代表ではできない経験もできている」と前向きに話していた。「代表ではできない経験」は何も個人にまつわるものばかりではない。今大会、再三、口を突いたのは「仲間」という言葉だった。

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