明治25年創立、名門・仙台一で文武両道を貫く千葉史織 秘訣は「登下校電車内の習慣」
勉強と部活の相乗効果「どっちかを捨てて絞った時に…」
勉強と部活の相乗効果もあるという。
「やっぱり、考える力は自然と身について、競技にも生かされると思います」。自分の体ひとつで勝負する陸上のトラック種目。練習の1本ごとに自ら内省し、動作を改善していく作業の質は、学業で鍛えられる思考力と無関係ではない。
さらに、スポーツにはコンディションなどで必ず好不調の波がある。
「どっちかを捨てて絞った時に、その一つがダメだったら自分を保つ術がなくなる気がする」。だから、時には2つが相互に心の逃げ場にもなる。「部活がダメな時は勉強を頑張ろうと思えるのが良いところだと思います」と明かした。
まだ2年生、卒業後は受験で大学進学を検討。将来の夢は漠然としているものの、「今まで陸上では、個人個人としっかり向き合って教えてくださる先生方といっぱい出会ってきたので、そういう人間に私もなりたい」としっかり話した。
「一高は、みんな自分を出していく校風。中学校はどちらかというと和を重んじる空気がありましたが、個人個人の良さを発揮できる。私はそういう(自分を出す)のが、ちょっと苦手な方なんですけど、一高に入ってちょっと変われた気がします」
ユニホームの胸には、漢字で書かれた「仙台一高」の文字。高校生活の目標は「3年夏のインターハイ優勝と、人間として少しでも成長すること」と千葉。まずは目の前の準決勝ですべてを注ぎ、母校の誇りを10台のハードルにぶつける。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)