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桐蔭学園が「負け続けてきた」東福岡と激突 高校No.1司令塔が目指すのは初の単独V

ブレイクダウンの精度が上がってきた東福岡【写真:出村謙知】
ブレイクダウンの精度が上がってきた東福岡【写真:出村謙知】

東福岡指揮官は意欲「チャレンジャーとして桐蔭と戦える権利をもらえる」

 準決勝の対戦相手は「散々、負け続けてきた相手」(藤原監督)、東福岡だ。

 前述の通り、大阪桐蔭を破ってのベスト4入りを決めた後、伊藤主将は「優勝したことがない」と強調した後、思い出したかのように「単独では」と付け加えたが、桐蔭学園の唯一の全国制覇はFB松島幸太朗(サントリー)、SO小倉順平(NTTコム)、WTB竹中祥(NEC)などを擁し、両校優勝の栄誉に輝いた2010年度。その時、決勝戦で引き分けた相手が東福岡(福岡)だった。そういう意味では、桐蔭学園にとって東福岡との準決勝もリベンジ戦と言ってもいいものかもしれない。

 もっとも、桐蔭学園と優勝を分け合った2010年度を挟んだV3(2009~2011年度)をはじめ、07年度以降計6回高校日本一に輝いてきた東福岡だが、現在のチームで言うなら、5日の準決勝をリベンジ戦と捉える意識は桐蔭学園以上に強いだろう。1年前の準決勝ではお互い攻め合った末に38-46で敗れ、今季、新チームになった後も選抜大会では21-67という屈辱的とも言える大敗を喫した。

「一度壊れたチーム。そこからコツコツつくってきた。痛い練習もしながら、這い上がってきた」

 藤田雄一郎監督は、数々の栄誉を成し遂げてきた過去のチームと並ぶかたちで、7年連続となるベスト4入り果たした今年度のチームをそんなふうに表現する。当然ながら、いつも以上に叩き上げ感があるダークグリーンのジャージに身を纏った集団が花園の大舞台で一番対戦したかった相手が桐蔭学園であることに異論はないだろう。

「桐蔭とやりたいと思っていた。ようやく、チャレンジャーとして桐蔭と戦える権利をもらえるところまで来た。同じトップ4入りでも、いつもより強い思いがある」(同監督)

 3回戦での国学院栃木との死闘を制し、準々決勝では流経大柏を圧倒。共に、接点の強さを誇る関東の雄を破りながら勝ち上がってくる過程で精度の高さを感じさせるようになっているのがブレイクダウンでの強さ、巧みさ、しつこさ。

 叩き上げ集団が、春には圧倒された桐蔭学園との接点をめぐる攻防でリズムをつかんだ時、CTB廣瀬雄也主将という稀代のロングパッサーもいる「(グラウンドの横幅)70メートルを使い切るのが東福岡のラグビー」(藤田監督)がリベンジ戦を制する可能性が出てきそうだ。

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