今秋の米留学へ2G 夢切り拓く白星、神戸弘陵・沖吉の壮大な挑戦「笑顔を世界中に」
第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦が首都圏8会場で行われた。ニッパツ三ツ沢スタジアムでは神戸弘陵(兵庫)と明秀日立(茨木)が対戦。MF沖吉大夢(たいむ・3年)が2得点をマークし、神戸弘陵が3-2で勝利した。3日に行われる3回戦(等々力陸上競技場)では帝京長岡(新潟)と対戦する。
海外が幼少期からの夢、9月に米国留学へ
第98回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦が首都圏8会場で行われた。ニッパツ三ツ沢スタジアムでは神戸弘陵(兵庫)と明秀日立(茨木)が対戦。MF沖吉大夢(たいむ・3年)が2得点をマークし、神戸弘陵が3-2で勝利した。3日に行われる3回戦(等々力陸上競技場)では帝京長岡(新潟)と対戦する。
緊張とは無縁だ。沖吉は前半14分、ペナルティエリア外から左足を振り抜き、先制点を叩き込むと、2-1と1点差に迫られた後半33分にはPKをゴールど真ん中に決めた。PKは、笛が鳴ってからシュートまで約7秒の間を空けたが「注目してほしいなと思って(笑)。(観客が)静かにしてくれるかなと思ったけど、あまり静かにならなかった」と茶目っ気たっぷりに笑った。高校最後の大舞台にも「いっぱい入られたほうがワクワクする。めっちゃ見てくれてうれしいなとか、いいプレーしたら沸かせられるのかなとか、ワクワク系が強い」と強心臓ぶりをうかがわせた。
今秋から米国の大学に留学し、サッカーを続ける。米国の大学サッカー部に対し、選手の情報を提供する企業がある。そこに今大会のプレー映像を含めた動画を編集してもらい、より良いオファーのあった大学へ進学するのだという。3月までは神戸弘陵でサッカーの技術と英語の実力を鍛え、その後はインドネシア・バリ島で3か月間の語学留学を経て、9月に米国の大学に進む予定だ。
幼少期から海の向こうを見つめていた。初めて海外を経験したのは小学校入学前。オーストラリアに在住していた家族の知人を訪れた。「オーストラリアの空港を出た時、なぜかめっちゃ海外のほうが合ってるんやないかなと。フィーリング的なものであまり言葉では説明できないんですけど、その感じがすごくて。『この国好きやな』という感覚をめっちゃ覚えてる」。バーベキューや海水浴など、すべてが新鮮だった。日本に戻るときには泣き叫んだ。以来、海外への興味は歳を増すことに沸き上がってきた。
「本当はオーストラリアに行きたいと思っていた」という沖吉。米国を目指す理由について、こう答えた。「アメリカは、奨学金や補助もサッカーの実力次第で結構動く。しかも欧州、アジア、アフリカといろんな国(の選手)を集めたチーム。英語はもちろん、いろんな文化も学べるので、そこが大きい決め手」。2学年上の先輩が今回と同じ制度で米国に行っていたため、2年生の時に制度と仲介する企業を紹介してもらい、3年生の春には米国行きを決めた。