元日本代表主将が「田村優を彷彿」と絶賛した逸材も 師走の花園で輝いた“金の卵”たち
連覇目指す大阪桐蔭で存在感が際立ったのはFWの2枚看板
昨季、“桐蔭ダービー”となった決勝戦で桐蔭学園を破り、初優勝を果たした大阪桐蔭では、昨年度の高校日本代表に2年生ながら揃って選ばれたHO江良颯、そしてNO8奥井章仁主将というFWの2枚看板の存在感が際立っていた。
茗渓学園(茨城)から計8トライを奪い、55対12と大勝したが、仲良く2トライずつを記録。昨年度の高校日本代表ウェールズ遠征のテストマッチでウェールズU19代表に2点差(29-31)で敗れた悔しさを知る2人だけに、「日本の高校生に合わせるではなく、世界基準のプレーを」と、菊谷氏は期待を寄せる。
ことに、高校生として唯一U20日本代表に選ばれた奥井が、後半4分に自陣15メートル付近でボールを受け取り、力強いランで相手ディフェンス陣を吹き飛ばしたり、抜群のコース取りとタックルを外す卓越したスキルで置き去りにしながら、70メートル近くをひとりで走り切ったプレーは圧巻だった。
春の選抜準優勝チームである御所実業は朝一のゲームで朝明から13トライを奪い79-0で完勝。FW、BK問わず、高校日本代表候補選手がズラリと並ぶが、同校の前身である御所工業出身である菊谷氏は「御所の選手はグラウンド上でしっかりコミュニケーションが取れる」と、プレー面だけではなく、リーダーシップの面でも高校ジャパンを引っ張っていく存在になっていくことを期待している。
すでに高校卒業後のパナソニック入りが発表され話題を呼んだPR島田彪雅は、前半10分に絶妙なグラバーキックでWTBを走らせてトライとしてアタックを完結させるなど、パワープレーにとどまらないラグビー選手としての非凡さを見せた。
主将でもあるPR津村大志は、前述した島田のグラバーキックか生まれたトライでは、その起点となるロングゲインでチャンスをつくるなど、機動力では島田を上回る印象。BK陣では前半だけでハットトリックを記録したFB石川玲英の「一番後ろからコントロールする状況判断力」(菊谷氏)も際立っていた。