川口能活は今J3で― 41歳でも現役にこだわる理由、「消えない2つの記憶」とは
「怪我に勝ちたいんです」…41歳となった今、川口能活は何を目指しているのか
「確かに怪我をする前よりパフォーマンスは落ちてしまった。でも、今も少しずつ治療を重ねながら、少しずつパフォーマンスが上がってきている。2つの大怪我で挫折感を味わったけど、でもいい時のイメージがあるから、今も諦めきれない。自分の納得のいくレベルまでは上げたい」
そう言って、川口は「怪我に勝ちたいんです」と言葉に力を込めた。その思いがあるから、J1で華々しく幕を引くのではなく、泥臭くとも現役にこだわっているのだという。
「どこかに遊び心がずっとあるんです。好きで始めたサッカー。仲間とボールを蹴るのが楽しみでやり続けているのが原点ですから」
このようにサッカーへの想いを明かした川口。では、41歳となった今、何を目指し、プレーし続けるのか。
「カズさん、中山雅史さんのような先輩のように長くプレーしたい気持ちもあるけど、今、目指しているのは、数字的な目標より、自分の納得するところまでやりきること。それが、次のステージに行くためのモチベーションになっているんです」
「マイアミの奇跡」のように、若かりし日と同じようにプレーすることは難しいかもしれない。しかし、川口能活は諦めない。「怪我に勝ちたい」――。飽くなき情熱を宿して、ゴールマウスを守り続ける。