「試合に出ていた奴だけの悔しさにしたくない」 関東第一、指揮官がこぼした涙の訳
伝統と想いは引き継がれるからこそ…善戦だから悔しい
この大会で王者を倒して勝ち上がり、「関東第一は強い」――そんな印象を与えることで、敗れた先輩たちもレベルの高いチームで切磋琢磨した選手として見てもらえるようにしたかった。
高校サッカーは、同じ選手が3年しか在籍せず、次々に入れ替わって行く。しかし、伝統はチームの中にも外にも残り、指導スタッフは想いを引き継いでいく。勝つことが、チームに関わる全ての者の評価を高めることにつながるということを考えると、善戦だったからこそ、悔しい。
「試合に出ていた奴だけの悔しさには、したくない」
若い指揮官がわずかに見せた涙には、いくつもの悔しさが込められていた。
◇インターハイのサッカー男子は29日に幕を開け、7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。決勝は8月4日。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
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平野貴也●文 text by Takaya Hirano