岐阜女子が女王・桜花学園に勝てた理由 「バスケの神様」を振り向かせた“想定力”
練習から磨いた考える力…主将「監督が一から十まで言えば、それについていくだけ」
「今日はうちらしい試合展開。耐える練習をずっとしてきたから、我慢することができた」と指揮官は言う。「子供たちがうまくいかない時も、どうしたらいいか簡単に答えを出さないで答えを出さないで解決をさせてきた」。求めたのは「状況を常に考えること」。練習から考える力を養い、選手に自立心を求めた。
主将の石坂ひなた(3年)は、こう言った。「監督が一から十まで言ってしまえば、それについていくだけになってしまう。自分たちで考えて練習したり、試合を想定したりしてきた」。例えば、練習も最初から5点差で負けている想定で逆転する展開をイメージするから入る。選手たちで、どんな展開も常に想定していたから、接戦となっても慌てることがなかった。
イメージの先には、いつも女王がいた。昨年のインターハイ決勝で桜花学園に敗れ、ウィンターカップでも惜敗し、返り討ちに遭った。「練習では常に桜花を意識してきた」と石坂。だから、決勝で再戦が決まった時には動じることなく、むしろ「借りを返せるチャンスが来たと思った」という。
昨年3冠で6連覇を狙った女王の牙城を崩し、ついに手にしたインターハイのタイトル。コート上で3度、胴上げされた安江監督は「こう試合も想定していた。バスケットの神様が見ててくれたことを確認できた」とほほ笑んだ。苦しみ、耐えて、考えて、バスケの神様も認めてくれた努力の果てに、岐阜女子の選手たちは大輪の夏の花を咲かせた。
◇バスケットボール、いよいよ決勝戦 インターハイのバスケットボールは7月28日に男女で幕を開け、8月2日にともに決勝が行われた。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer