「普通の女の子に戻るならそれでいい」 福井工大福井、指揮官がかけた“ゲキの真意”
鈴木監督は「いい時は凄いものがある」と称賛…ハートに課題「人がまだ素直」
ミーティングを終えると、鈴木監督は穏やかな顔に戻り、“真意”を語った。
「人がまだ素直。ちょっと言うと、さっきみたいに涙を流す」。第3セット終盤、サーブレシーブでミスを犯したシーンがあった。今日のサーブポイントも人の好さ。ちょっとした弱さが出ている」。勝負所で弱気になってしまう。指揮官は心の隙を見抜いていた。
「高校を終えて、普通の女の子に戻るんなら、それでいい。でも、彼女の場合は上でやるというんだから。いい時は凄いものがあるし、ガッと(闘志を)見せる選手になったら、もっといい選手になれる。もうひと回り、春高までに大きくするには精神的なところで強くなれるか」
期待を込め、鈴木監督は課題を挙げた。今大会は前年覇者・下北沢成徳(東京)を破って同校初の4強進出を果たした際、上坂は「ここを通過点にして日本一を目指したい」と語っていた。今大会で悲願成就とならなかったが、まだ高校生活に成長の余白は残されている。
涙を残し、みちのくを去った背番号1。これを、輝く未来への再出発にしてみせる。
◇バレーボール、佳境に突入 インターハイのバレーボールは29日に男女で幕を開け、8月1日にともに決勝が行われる。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer