「青森山田を倒すためにやってきた」 前橋育英、悲願のリベンジ呼んだ闘志の“源”
これほど勝ちたいと思える相手はいない。その想いが後半の怒涛の攻撃に表れていた。
平野貴也●写真 photo by Takaya Hirano
高校選手権決勝で屈辱の0-5大敗…雪辱を意識してモチベーションに
これほど勝ちたいと思える相手はいない。その想いが後半の怒涛の攻撃に表れていた。
全国高校総体(インターハイ)は31日、サッカー3回戦で前橋育英(群馬)が3-1で青森山田(青森)に逆転勝ちを収め、ベスト8入りを果たした。
両チームの対戦は、公式戦では昨季の全国高校選手権の決勝以来。当時、2年生主体だった前橋育英は、ほとんどが屈辱の決勝戦(0-5)をピッチで味わった選手たちだ。目標はあくまでも優勝だが、青森山田に勝ったことは、ただ3回戦を勝ったのとは異なる意味があった。
山田耕介監督は「僕らはこれを目的にやってきたようなもの。昨日も(他チームには悪いけど)青森山田、勝て! と思っていました。本当に、練習中でも『だから、お前たちは青森山田に0-5で負けるんだ』と言うことが多かった」と、常に雪辱を意識してチーム力を高めてきた半年を振り返った。
試合前には、屈辱の一戦のビデオを見て、モチベーションを高めた。キャプテンの田部井涼(3年)は、ショックを受けた半年前の映像を源に、闘志を駆り立てていたという。
「練習が緩んでいると『青森山田の選手だったら、こんなことはしない』と監督から言われました。それを言われると、本当に悔しい。言われ続けて来たので、悔しさを晴らせたことは、良かったと思います。敗戦もそうですけど、0-5というスコアが一番、頭に残っています。何もできなかったという印象が残っているので。そのスコアと敗戦が頭に残っていて、今日の試合前もあの試合の映像を見ました。まあ、本当に失点シーンばかり……。5点分、全部見たので、気持ちは相当高まっていました」