本格派ストライカーへの脱皮 連覇狙う市立船橋FW福元が全国で示す無限の可能性
「なーんにもしてないよ、福元は」と指揮官、求められるチームを背中で引っ張る姿
得点の場面では、敵将も「あれは仕方がない」と認める個人能力の差を見せつけた。
ポテンシャルの高さに疑いの余地はない。J1サンフレッチェ広島の練習にも参加。高卒でプロへ進む可能性も秘めている。
ただ、まだ指揮官が求める基準値に達していない。取材を受ける福元の隣を通り過ぎた朝岡隆蔵監督の「なーんにもしてないよ、福元は」という声が聞こえると、苦笑いを浮かべ、監督の背中に向かって「はい、すいません」と答えた。
変化を求められているのは、精神面だ。福元は何度も指摘されており、「他人のせいにしてしまうところがある」と自らの課題を理解している。厳しい状況でも、パスが悪くても、判定が不利でも、背中でチームを引っ張り続けられるエースストライカーが、市立船橋の最前線に立つ者の目指すべき姿だ。
福元は、横浜F・マリノスのジュニアユース出身。中学時代は攻撃的MFでプレーしていたが、体格が良かったため、市立船橋では当初、センターバックで試された。
朝岡監督が目指す攻撃的なサッカーでは、前線の選手はフレキシブルかつエネルギッシュに動くことができ、なおかつ局面で個人による打開と得点力を求められる。福元は「能力は高いんだけど……」という評価を抜け切れなかった。