[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

1万m27分台、箱根駅伝で各校が意識する“逸材3年生” 誓う5強崩し「他校のエースを倒したい」――帝京大・楠岡由浩

出雲は区間3位、全日本は区間賞…各校からの注目に「エースを倒したい」

――出雲駅伝は、チームは8位ながら1区3位の好走で流れを作りました。次の全日本大学駅伝は、2区区間賞でした。

「全日本の1週間前の練習がすごく良い感じで走れたので、練習通りに走れればいいかなと思っていたんです。2区は昨年もでしたが、エースが集まってくる区間。今回も2区の選手の名前を見て、どのくらい戦えるのか、すごく楽しみでした。実際、レースも気負うことなく走れて、練習の成果が出てホッとしました(笑)練習の成果が出てホッとしました(笑)」

――2区区間賞のタイムは、佐藤圭汰選手(駒大・4年)と同タイム(31分01秒)で、昨年の鶴川正也選手(青学大・当時4年)の記録(31分04秒)よりも速いタイムです。これは出来すぎですか、それとも狙い通りの結果でしたか。

「出来すぎだとは思わなかったですね。レースでは練習通りに展開することができましたし、しかもけっこう余裕を持って走れたんです。それだけにラスト、吉居(駿恭)選手(中大・当時3年)に抜かれた時、もう少しいけた感があったので悔しかったです。ただ、それでも区間賞が取れたので、それは単純にうれしかったです」

――監督から「よくやった」みたいな言葉をかけてもらったのですか。

「いえ、褒められた記憶はないですね(苦笑)。友人からはおめでとうをたくさんもらいました」

 楠岡の快進撃は、全日本の2区区間賞では終わらなかった。11月27日の日体大記録会10000mで27分52秒09をマーク。これは帝京大初の27分台で、内容も余裕を持っての展開で、まだまだ記録が伸びていきそうな気配だ。

――27分台を出した日体大は会心のレースでしたね。

「実は、レース前、少し踵が痛くて、なかなか痛みが取れなかったんです。冬の寒い中、しかもスパイクで走るのでちょっと故障のリスクが高いかなと思ったので、全力というより少し余裕を持って走り、箱根につながるようなレースにしたいと思っていました。中盤で少しキツくなることがあったのですが、逆に後半は余裕を持って27分台で走れたのですごく自信になりました」

――出雲、全日本での活躍、そして今回の27分台を受けて他校は楠岡選手をかなり意識すると思われます。

「注目されることに対しては意識しませんが、帝京が5強崩しを目指しているので、自分が他校のエースを倒したいという思いがあります。そうして少しでもチームを上位につけることができればチームが盛り上がると思うので、そこは意識しています」

1 2 3 4

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
oillio
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集