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クラファン挑戦、偏差値68の都立進学校から叶えた初全国 ChatGPTも活用、「考える陸上」が教えてくれた部活の楽しさ――国分寺・石井優陽

ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子走り幅跳びに出場した国分寺の石井優陽(3年)。偏差値68の公立進学校で「考える陸上」をモットーに競技に励み、チームではクラウドファンディングにも挑戦した。新しい部活動の在り方を体現して知った価値とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

「考える陸上」をモットーにしてインターハイ出場を叶えた国分寺・石井優陽【写真:荒川祐史】
「考える陸上」をモットーにしてインターハイ出場を叶えた国分寺・石井優陽【写真:荒川祐史】

陸上・インターハイ 女子走り幅跳び/国分寺・石井優陽(3年)

 ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子走り幅跳びに出場した国分寺の石井優陽(3年)。偏差値68の公立進学校で「考える陸上」をモットーに競技に励み、チームではクラウドファンディングにも挑戦した。新しい部活動の在り方を体現して知った価値とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

 たくさんの声援を胸に、初めて全国の舞台に立った。

 暑さ対策のため、試技数が2回となった今大会。予選1回目、助走のスタート位置についた石井はイメージを膨らませた。息を吐き、大きく体を反らせる。勢いよく走り出すと、踏み切り板で高く跳び上がった。5メートル68の自己ベストに迫る5メートル64(向かい風0.7メートル)を記録。予選敗退となったが、最初で最後の大舞台を堪能した。「全国大会が初めてで、2本と少ない跳躍だったので本当に一瞬で終わっちゃったなというのが残念なんですけど……。でも楽しかった」と白い歯を覗かせた。

 チームで掲げる「考える陸上」を体現してきた。

 小学5年で始めた走り幅跳び。東京・武蔵野東中3年時には関東大会出場の実績を持つ。毎年、難関国立大への合格者を多数輩出する偏差値68の国分寺高に進学し、更なる高みを目指してきた。

 継続してきたのが“陸上ノート”。メニューの内容、良かった点、改善点などを記入する。高校入学後は受験のブランクで伸び悩む日々も経験。「今、何が必要か」。ノートに記された自身の足跡を辿って、自問自答を繰り返した。指導を受けるOBにアドバイスを求めたり、YouTube動画を参考にしたり、情報収集も欠かさない。助走の改善に取り組み、スピードを上げたことで記録向上に繋がった。

 体重管理も徹底。変動があった際にはChatGPTに献立を送って内訳をチェックし、1日に何をどれだけ摂取するべきかを把握した。揚げ物を控え、タンパク質を中心とした食事を用意してくれた母にも感謝する。

「記録が伸びるという確信はないけど、続けてみたら伸びることもある。自分でやりたいことを色々とかき集めて、実践していくことが本当に楽しくて。陸上はもちろん、楽しむことは人生の中で大切なのかなと思った」

 役立つ最新機能は何でも使う。自ら情報をつかみ、生かしていく。2年生の都総体12位から今年は都V、南関東準Vと一気に飛躍。受験生として練習と並行し、練習がある日も塾に毎日通いながら、「考える」を徹底した先に辿り着いた大舞台だった。

 かつては全国大会に程遠かった同校の陸上競技部。近年は実力をつけ、昨年は男子400メートル障害に出場した葛西悠貴が45年ぶりとなるメダル獲得、今年も石井を含め2人が出場した。ただ、公立校だけに金銭面で苦労する。そこで実施したのが都立高で初となるクラウドファンディングだった。

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