全中7位、陸上部のない慶應女子高から全国決勝へ 「ちゃんとやれ」叱る人も不在…自分を律し、鼓舞し、再び辿り着いた場所――松田冴

「ちゃんとやれ」と言ってくれる人も不在「自分で自分を律し、鼓舞して…」
「こんなに練習も頑張っていて、辞めてしまうのも勿体ないなと思って。今もだけど『まだまだできる』って自分を信じたい気持ちもあったから。頑張るしかないなって」
1人で走ることが多いからこそ、自分に向き合う時間も多くなる。自身の走りを分析し、後半部分の走りを改善するなど取り組んだ。冬季にはしっかりと走り込んで基礎を強化。6月の南関東総体4位入賞を果たし、最初で最後のインターハイで決勝まで辿り着いた。
今大会は準決勝なし。タイムレース形式で行われた決勝は11秒84(追い風3.1メートル)で組8着(総合20位)となったが、結果以上に大切なことを陸上部のない3年間が教えてくれた。
「部活ではないので『ちゃんとやれ』と言ってくれる人はいない。自分で自分を律して、鼓舞して頑張って練習する。そういう経験を他のところにも生かせたらいいなと思う」
幼稚舎から慶應一筋で通う17歳。慶應女子は宇宙飛行士の向井千秋、評論家の勝間和代、フェンシングの五輪メダリスト・宮脇花綸など、多彩な人材を輩出している。そんな学び舎での高校生活は「すごく自由な学校なので楽しい」と笑顔を見せる。
卒業後は慶大に内部進学し、陸上競技も続ける予定だ。「競走部に入ろうと考えている。冬季練習を積んで大学でしっかりとやりたい」。過去も、今も、これからも自分を信じてトラックに立つ。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
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