高校野球の女子部員が抱える課題 トイレは我慢、着替え場所なく…取材で聞こえてきた娘を預ける母親の本音
「配慮してくれたら」取材で聞こえてきた課題
ただし、取材をしていると男子野球部に在籍するにあたって、課題も聞こえてきた。「トイレ問題」はその1つだ。ある女子部員の母は「冬は(練習中に)トイレにいけなくて膀胱炎になったこともあった」と経験談を明かす。その表情には娘を応援しつつも、心配が尽きない苦悩が見て取れた。
野球部の活動場所の近くには女子トイレがないことも珍しくない。「本人は気を使わせないようにしていた」といい、練習を止めて迷惑をかけないように周囲に悟られず我慢して練習する日々。寒さによって体が冷え、血行が悪くなる冬は大変だったに違いない。
「着替え問題」も同様だ。部室は男子部員が使用。女子部員は学校の教室、他部の部室を借りて着替えることが多い。だが、女子部員がいない他校で練習や試合をする際は、教室を借りることが出来ず、トイレで着替えることもしばしば。すべての学校に対応を求めるのは難しいが、別の女子部員の母は「少し配慮してくれたら」と環境の改善に想いを寄せた。
日本高野連は2022年夏の甲子園から女子部員によるノック時のボール渡しなど練習補助、試合中に球審にボールを渡す「ボールパーソン」としての参加を認め、その流れが各都道府県に広がるなど、彼女らの活動を後押ししている。そうした変化の中で、まだ配慮が行き届かないことも当然あるだろう。
女子部員、その保護者が気兼ねなくプレー、応援できる環境づくりを――。まずは少しずつ認識が広まってくれることを願う。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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