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練習場所はビニールハウスに廃校舎「室内でも気温0度」 極寒の地でも“熱”消さず辿り着いた2度目のインターハイ――北見北斗・豊原隆介

ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は男子棒高跳びに出場した北見北斗の豊原隆介(3年)。冬は廃校舎の体育館やビニールハウスで練習するなど、難しい環境の中で競技を続けてきた。昨年に続いて出場した2度目の大舞台を笑顔でやり切った。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

男子棒高跳びに出場した北見北斗の豊原隆介【写真:奥井隆史】
男子棒高跳びに出場した北見北斗の豊原隆介【写真:奥井隆史】

陸上・インターハイ 男子棒高跳び/北見北斗・豊原隆介(3年)

 ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は男子棒高跳びに出場した北見北斗の豊原隆介(3年)。冬は廃校舎の体育館やビニールハウスで練習するなど、難しい環境の中で競技を続けてきた。昨年に続いて出場した2度目の大舞台を笑顔でやり切った。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

 高校最後の大舞台。1本1本に思いを込めた。

 暑さ対策で通常より1回少ない2回失敗で競技終了となった今大会。男子棒高跳び予選、迎えた4メートル50の2回目。助走のスタート地点に立った豊原はイメージトレーニングをし、集中力を高めた。棒を持ち上げて勢いよく走り出す。力強く踏み切るも、体が上がり切らず、バーを越えられなかった。真夏の太陽が照らすマットの上で、悔しさを滲ませた。それでも「記録は振るわなかったけど、最後まで楽しく笑顔でできたので良かった」と頷いたのは、環境のハンデを乗り越え、打ち込んできた自負があるからだ。

 北海道北見市出身の17歳。小学2年でクラブチーム「オホーツクAC」で陸上を始め、中学1年から棒高跳びに打ち込んだ。中学時代は同種目未経験の金子航太コーチと二人三脚で練習。3年時には全中、U16日本選手権にも出場した。

「頭も良くて、陸上も有名だった」と大学進学を視野に偏差値62~64の北見北斗に入学。現在は部活で週4日、クラブチームで週2日と2拠点で練習に励む。

 苦労するのは練習環境だ。北見といえば、オホーツク海に近く、流氷やキタキツネで知られる冬の寒さが厳しい街。11月頃に雪が降り始め、解けるのは4月下旬。「棒高跳びもできなくなってしまう」。冬場に跳躍できるのは、廃校となった小学校の体育館だけ。「ジェットヒーターを焚いても、気温は0度くらい」と極寒だ。ジャージの上から2枚のウインドブレーカーを重ね着するなど対策し、短い助走での跳躍練習に励んだ。

 クラブチームではビニールハウスを使用する。チームのメインスポンサーである「豊北うるおいファーム」が夏場に野菜や果物を育てる60メートル程度の空間が貴重な練習場所に。30メートル程度のタータンを敷いて練習を積んできた。

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