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清宮幸太郎がHR、17-18死闘の客席で立てた誓いから8年後 「2人の姉と甲子園へ」冬の8kg増で覚醒し叶えた家族の夢――日大三・本間律輝

高校野球の第107回全国選手権西東京大会は29日、神宮球場で行われた決勝で日大三が東海大菅生に8-4で勝利。2年ぶり20度目の夏の甲子園出場を決めた。主将の3番・本間律輝中堅手(3年)は2本の長打を含む、3安打5打点の大活躍。屈辱を味わった昨夏から1年、家族との約束を果たし、ついに聖地に乗り込む。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

8回、この日3本目となる適時打を放ち、塁上で吠える日大三・本間律輝【写真:加治屋友輝】
8回、この日3本目となる適時打を放ち、塁上で吠える日大三・本間律輝【写真:加治屋友輝】

第107回全国高校野球選手権・西東京大会

 高校野球の第107回全国選手権西東京大会は29日、神宮球場で行われた決勝で日大三が東海大菅生に8-4で勝利。2年ぶり20度目の夏の甲子園出場を決めた。主将の3番・本間律輝中堅手(3年)は2本の長打を含む、3安打5打点の大活躍。屈辱を味わった昨夏から1年、家族との約束を果たし、ついに聖地に乗り込む。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

 想いのこもった強打が猛威を振るった。逆転を許して迎えた5回1死一、二塁。2点タイムリーを放った前打席に続き、主将・本間は再びチャンスの場面で打席に立った。「自分が結果を出さないと」。左越えの2点適時二塁打で逆転に成功し、塁上で吠えた。8回にも適時打を放ち3安打5打点の大暴れ。2年ぶりの聖地へ導いた。

 夢は8年前から変わらない。2017年春の都大会決勝、日大三が早実に17-18で壮絶なサヨナラ負けをした日。日大三の吹奏楽部として応援した長女・彩香さん、次女・遥香さんについていき、小4だった本間は神宮で観戦。2本のアーチを放った、早実の清宮幸太郎(現日本ハム)を見つめながら誓った。「日大三の野球部に入って甲子園に行く」。少年の目は既に聖地を見据えていた。

昨夏、決勝で涙をのんだ本間。ついに甲子園切符を掴んだ【写真:加治屋友輝】
昨夏、決勝で涙をのんだ本間。ついに甲子園切符を掴んだ【写真:加治屋友輝】

 だが、その道程は決して簡単なものではなかった。昨夏は西東京決勝で敗北。甲子園行きを逃した。しかも、相手は早実。9-10の1点差。日大三を志した試合を思い出し、帰宅するなり、悔しさのあまり家族の前で謝罪した。「勝てなくてごめん」。母・直美さんが涙するほど、本間を支える家族の想いは強い。最後の夏は負けるわけにいかなかった。

 冬には課題のパワー不足を補うため食トレを敢行。毎日寮で自らおにぎりを5個握り、授業の休み時間に頬張った。実家から餅を送ってもらい、食後の満腹な状態から腹に詰め込んだ。「少しでも体重を増やすために」。昨夏70キロに満たなかった体重は78キロに。大舞台で5打点を挙げた“ムキムキ”の腕は努力の結晶だ。

 遂にたどり着いた夢舞台。聖地で2人の姉が吹奏楽で弟を応援することが家族の夢だった。姉2人も吹奏楽部OGとして参加予定。今回、その悲願が叶う。「吹いている姿を小さい時に見ていた。自分が姉に応援されるのは感慨深い」。少しでも長く、2人の姉の音色が甲子園の空に響き渡るように――。本間は甲子園切符で満足するつもりはない。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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