SNSで160万再生超、高校生がベンチプレス110kg 2大横綱打倒へ、神奈川の中堅校に起こる“筋肉革命”――藤嶺藤沢・五島湊
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は11日、大和スタジアムで行われた2回戦で、藤嶺藤沢が12-0で橘に7回コールド勝ちした。リードオフマンの五島湊三塁手(3年)は2本の長打を含む、5打数4安打2打点3得点1盗塁の大活躍。その裏にはSNSで160万再生を超えるほど話題となった“筋肉革命”があった。(THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第107回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は11日、大和スタジアムで行われた2回戦で、藤嶺藤沢が12-0で橘に7回コールド勝ちした。リードオフマンの五島湊三塁手(3年)は2本の長打を含む、5打数4安打2打点3得点1盗塁の大活躍。その裏にはSNSで160万再生を超えるほど話題となった“筋肉革命”があった。(THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
ムキムキに膨れ上がった二の腕が火を噴いた。1番・五島は初回、左中間へ痛烈な二塁打。「先頭で出塁する役割を果たす」。強い意思が先制点につながり、打線を活性化させた。4回の第3打席では右中間へ2点適時二塁打。右へ左へ長打を放ち、「走者を返すことも役割。出来て良かった」と大勝発進に安堵の表情を浮かべた。
チームが放った18安打のうち、長打は本塁打1本を含め7本。菊池幹監督が奨励する“筋肉革命”の賜物だった。「身長(センチ)-体重(キロ)=100」。これは2023年の就任当初に定めた目標だ。数字をクリアしなければベンチ入りできない。
1985年夏に甲子園出場した藤嶺藤沢も近年は4、5回戦での敗退が続くいわば中堅校の立ち位置。県内の2大横綱、横浜や東海大相模に技術力では敵わない。「何か1つでも追いつける部分を」。全ては強豪校撃破のため、指揮官の意図は明確だった。
入部当初から177センチ、68キロと恵まれた体格を持っていた五島。だが、自身のベンチ入り基準、77キロには全く届かなかった。「食べることがあまり得意ではない」。それでも授業の休み時間に母に作ってもらったおにぎりを頬張る日々。特に進化を引き出したのは、徹底的な筋力トレーニングだ。
「最初は2、30キロしか挙げられなかった」というベンチプレスも今やチーム最重量の110キロを挙げる。その様子は部のインスタグラムで、167.2万再生されるバズ動画に。昨年4月に開設されたアカウントにより、世の中に見られることや新入部員の勧誘、対戦相手への圧力にもつながっている。
神奈川球界で異彩を放つマッチョ野球部を象徴する切り込み隊長は、3年間で体重79キロまで巨大化。15日、3回戦で大船と対戦する。「夏なので何が起こるかわからない」。五島は勝って兜の緒を締める。実に40年ぶりの甲子園出場へ。文字通り大きくなった“ムキムキ男”が、聖地まで牽引していく。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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