大谷翔平のWBC世界一が変えた学生野球の“常識” 大学ジャパン選手に聞いた日本の強み「やっぱり勝負を決めているのは…」

一芸で代表入りの杉山諒「同じことをしないのが大事」
影響を与えているのは、やはり侍ジャパンの戦いだ。「WBCとかを見ていても、やっぱり勝負を決めているのはホームランとか長打なので。真っすぐに対してしっかり振る、勝負して打ち返すというのはやっていかないといけない。振れないと始まらないというのは、青学に入ってからも常々言われていることで、バットを振っていくという積極性は、アメリカ代表相手にも失わないでいたい」。
さらに捕手としては、日本の強みはやはり技術の高さにあると見ている。「投手で言ったら、落ちるボールの精度ですね。フォークとかスライダーの精度が、日本人の投手はとても高いと思うので」。パワーと細やかさのいいとこどりが、日本の生きる道だ。
攻撃でも野球の細やかさにこだわり、活路を求めようとする選手がいる。杉山諒外野手(愛知学院大4年)は“ゲームチェンジャー”になりうる一芸を買われて代表に加わった。50メートル5秒7を記録したこともあるという快足。身長171センチと小柄ながら、抜群の身体能力を誇る。米国とはどう戦おうと考えたのか。
「今まで体験したことのないような投手、ボールが来ると思うんです。そこで1打席ではタイミングが合わなくても、じゃあ2打席目でどう変えていくか。同じことをしないのが大事だと思うんです」。期待される走力でも「捕手の肩は強いでしょうけど、じゃあ捕手が捕ってからこだわっているかというと、日本よりはこだわってないと思うんです。だったらミスをしてきたときに、嫌なところを突くというか、そういう役割を全うしたいですね」と、単純な速さ以外の部分にまで、神経を行き届かせている。
現在のところ、進路はプロ一本で考えている。「どこに投げたらいいか、わからないようなバッターを目指したいんです」。野球の国際大会が世代別にも整備されるようになり、各選手は日本の強みを自然と考える環境になっている。それは自分にしかできないことを磨くということでもある。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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