偏差値75の早大学院野球部、快進撃支えた欲求「常識を変えてみたい」 高校でも進む“データ分析”

実戦で活用するデータ分析…昨夏8強の裏側にデータ班あり
早大学院高は入試偏差値が75という超難関校。その中で野球部は近年好成績を残している。2023年夏には西東京大会で4強進出。昨夏も8強まで勝ち進み、千嶋は内野手、古田は投手としてベンチ入りしていた。千嶋はプレーヤーとしての役割をこなす一方で1、2年生を巻き込み、データ班の結成にも動いた。チームの好成績の裏にも、その活用があったという。
「一番効果があったことは言えません」と笑う千嶋と古田は「球種の割合などから、投球に対するアプローチはアドバイスしていました。低めを捨てるとか、ここはストライクを狙うとか、打っても安打になりにくい球種とか」とその一端を明かしてくれた。試合前日に相手校の対策ミーティングを行い、ベンチに持ち込んだ資料は20ページほどに及ぶ本格的なものだった。
ただ、試合のデータは自分たちの肉眼で収集したものにとどまる。今回の分析大会では神宮球場に設置された機器によるデータを提供され、この世界の深さを感じたという。
「頂いたトラックマンのデータは、1球ごとのトラッキングデータ。僕たちは相手校の試合を見て分析することしかやったことがなかったので、1球ごとに見ていく大学生の発表はさすがだと思いました」と千嶋。今後、更に分析の範囲を広げていきたいとする。
千嶋は推薦で早大のスポーツ科学部に進み、野球部にも入部予定。それも専業アナリストとしてだ。大好きな野球に関わり続ける道は、グラウンドの中だけではなくなってきている。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)