渡邊雄太が高校生に示した世界レベルの“基礎” ベスト8延岡学園の目に焼き付いた練習姿勢【ウインターカップ】
目に焼き付けた渡邊雄太の練習強度
渡邊は毎夏、同級生の楠元が教える延岡学園を訪問しているという。NBA経験者の練習を間近で見た大津山はその強度に驚いた。「ローテーションのところのコミュニケーションは、声を出さないと世界ではプレーできないと教えてもらった。運動量や、手をずっと上げっぱなしにしてパスコースを消すハードワークを目に焼き付けた」。世界レベルの選手がどれだけ基礎を徹底しているかを知った。
練習で手が下がれば「渡邊選手はああいう強度でやってたぞ!」と監督から喝が飛ぶ。泥臭くプレーしていた憧れのスターの姿を思い出し、重たくなった腕をまた持ち上げた。その積み重ねで辿り着いたメインコート。3回戦に引き続いてこの日も応援にかけつけた渡邊に勝利を届けることはできなかったが、大津山は「ここで保護者や沢山の観客の前でプレーできてとても嬉しい」と胸を張った。
楠元監督は「僕と雄太との関係性で大事にしているのは、どれだけ結果が出なかったとしても、自分たちが正しいと思っている信念でやり続ける。努力が必ず報われるほど甘くはないのはわかっていながらも、それでも……という継続の部分で彼とは共鳴し合っていると思っている」と明かす。なかなか結果が出なかった1年。泥臭く努力を重ねて掴んだベスト8は、必ず未来に繋がるはずだ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)