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創部5年目で初の全国 高川学園の30歳石倉葉子監督が生徒と一緒に作った「ワクワク」のチーム【ウインターカップ】

バスケットボールの第77回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2024」が23日、東京体育館など都内の2会場で開幕した。女子1回戦では初出場の高川学園(山口)が16年連続41度出場の名門・県立小林(宮崎)に64-81で敗戦。創部5年目のチームを初年度から率いる30歳の指揮官のもと、最後まで「楽しさの中にある自分たちのバスケ」を貫き通した。

ベンチから選手を盛り立てた石倉葉子監督(最右)【(C)SoftBank ウインターカップ2024】
ベンチから選手を盛り立てた石倉葉子監督(最右)【(C)SoftBank ウインターカップ2024】

SoftBank ウインターカップ2024

 バスケットボールの第77回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2024」が23日、東京体育館など都内の2会場で開幕した。女子1回戦では初出場の高川学園(山口)が16年連続41度出場の名門・県立小林(宮崎)に64-81で敗戦。創部5年目のチームを初年度から率いる30歳の指揮官のもと、最後まで「楽しさの中にある自分たちのバスケ」を貫き通した。

 最後まで声を張り上げた。全国大会の常連・県立小林のフルコートディフェンスに苦戦し、じわじわと点差を離された高川学園。懸命にコートを駆ける仲間をベンチが後押しした。手にしたのは「笑顔」「前進」などと書かれたお手製うちわ。苦しい時間でも声を揃え、味方の得点には跳び上がって歓喜した。「ああいう空気は今までなかった」という石倉葉子監督。変わったのは今秋からだ。

 夏のインターハイ予選は準決勝で敗退。主将の池部ひかり(3年)は「雰囲気が課題だった」と振り返る。展開次第で静まり返ってしまうベンチ。これではいけない、と選手自ら考え、積極的に声を出すようになった。手作りのうちわも生徒が主導。「自分たちのバスケットはこういう楽しさの中にきっとある、と気付いた」。どんな時も下を向かなくなった教え子の成長を石倉監督はこう分析する。

 創部5年目で初めて掴んだ全国の舞台。30歳の指揮官は初年度からチームを率いてきた。同校は2004年に共学化。2007年から中高一貫校になった。2017年、高校に先立ち中学校に女子バスケ部が誕生。バスケ経験者の石倉監督は大卒1年目ながら顧問を任された。戸惑いよりも勝ったのは「ワクワク」感。「指導というより、いいチームを一緒に作れたら。若いからこそできる感覚で」とスタートした。

 中学で指導した1期生が進学した2020年には、高校でも女子バスケ部が創設。石倉監督も高校の顧問に異動となった。主将の池部やエースの仲田樹里(3年)らも中学からの教え子。池部も「自分たちと同じ立場になってくれる。テンションを合わせてくれて、すごく親しみやすい」と信頼を寄せる。昨年11月には監督の発案で部のインスタグラムを始動。今では生徒も積極的に企画、投稿している。

 一緒にチームを作るというワクワク感は今も変わらない。「何よりこの空気感や大会自体を本気で楽しんでほしい」。若き指揮官の願いに、教え子たちは全力プレーで応えた。前半は16点差をつけられたが後半だけなら1点差。諦めることなく最後まで名門に食らいついた。池部は悔し涙を流しながらも、「相手の圧に押されたりせず、自分たちの雰囲気や自分たちらしいプレーは出せた」と胸を張った。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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