[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

桐光学園が“エリート&雑草”の競演弾で全国切符

あまりに対照的なルートで、同じユニフォームを着た2人が勝利を呼び込むゴールを挙げた。第97回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は11日にニッパツ三ツ沢球技場で決勝を行い、桐光学園が3-0で三浦学苑を破って2年ぶり11度目の全国大会出場を決めた。

2年ぶり11度目の全国大会出場を決めた桐光学園【写真:平野貴也】
2年ぶり11度目の全国大会出場を決めた桐光学園【写真:平野貴也】

全国選手権神奈川県大会決勝で三浦学苑を撃破

 あまりに対照的なルートで、同じユニフォームを着た2人が勝利を呼び込むゴールを挙げた。第97回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は11日にニッパツ三ツ沢球技場で決勝を行い、桐光学園が3-0で三浦学苑を破って2年ぶり11度目の全国大会出場を決めた。

 桐光学園は、前半に2得点。U-16日本代表のエースで、U-16 AFC選手権MVPに輝いた西川潤(2年)が能力の高さを見せつけるようなドリブルシュートで相手守備網を破って先制すると、8分後には左からのクロスを敷野智大(3年)が相手と競り合いながら左足ボレーで合わせて追加点を奪った。敷野は「今季は、リーグ戦や選手権予選で点を取れずに迷惑をかけていたので、この決勝にかけている思いがあった。(クロスが)上がってきたら自分のボールだと思っていた」と役割を果たした手ごたえを話した。

 トップ下のような位置取りで、中盤のパスワークに関わりながら、チャンスメークとゴールのダブルワークを器用にこなすのが西川だ。敷野は、最前線でゴールを狙い続け、守備でも泥臭くハードワークをする。対照的なのは、プレーだけではない。

 西川は、同世代のエリート選手。横浜F・マリノスのジュニアユース出身で、当時から世代別日本代表でエース格として活躍していた。ユース昇格が可能な実力を持っていたが、兄の公基(神奈川大)と同じく桐光学園に進学。入学前の親善大会から10番を背負っている。1年生だった昨季も主力として起用され、今季はエースとして存在感を発揮。夏のインターハイ(全国高校総体)では、通算6得点で準優勝に大きく貢献した。

 一方、敷野は、少し変わった経緯で入部を果たした。元々、桐光学園の中学校で部活動に所属。内部進学時に高校サッカー部のセレクションを受けたが、不合格だった。桐光学園高校には、選抜された少数精鋭の選手で構成する部活動チームのほかに、別の生徒たちで構成される「FC川崎栗の木」というクラブチームが設けられており、敷野は、このクラブに所属した。しかし、部活動チームとの練習試合で活躍して移籍を勧められ、1年生の途中から部活動のチームに加わった。鈴木勝大監督は「敷野は、彼のストーリーにふさわしい、泥臭いプレーヤー。岡崎慎司選手(レスター)みたいになりなさいと言っている。彼の努力が、今日の1点につながった。サッカーに限らず、こういうことはある。敷野の活躍は、中等部の選手たちに期待や希望を与えてくれる」と称賛を惜しまない。

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集