100&200mで大会新V 山形愛羽が抱くでっかい夢 身長154cmでも「誰にも負けない」【日本学生陸上】
夢の100m10秒台へ「背が低くても走れると広めていきたい」
日本女子が苦しいと言われる短距離の世界で、世界と互角に戦っていくのが目標だ。自身と世界との距離を考えさせられるできごとがあった。5月にバハマで行われた世界リレーに4×100メートルリレー日本代表の一員として参加し、アンカーを務めた。
「まだまだ足りない。(100メートル)11秒台じゃなく、10秒台を出さないと話にならない。今までは夢みたいに思っていたけれど、今は目指しているので。10秒台」
日本の選手でも特に小柄な山形は、海外の選手との違いについても考えさせられたという。「体格、筋肉量、練習量も違うと思うんです。どうしたらいいか考えないと。でも身長で勝てない分、ピッチでは誰にも負けません。背が低くても走れると広めていきたいんです。高くなりたいけど無理なので、ストライドをもっと広げて……」。作戦が頭を駆け巡る。
世界リレーでは、スタートの瞬間になっても全く静まらないスタンドの空気にも圧倒された。「オンユアマークといわれてもまだざわついていて……。ぼーっとしてたらピストルにも気づかないくらい」。そんなタフな環境でも結果を残せる選手を目指していく。
2週間後には日本選手権が控えており「走るからには金。2冠を目指します」と言い切った。2028年のロサンゼルス五輪には、リレーと個人種目双方での出場を目指している。18歳の前には、大きな可能性だけが広がっている。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)