部活動の地域移行は「子供のため」であるべき “働き方改革”先行の流れに懸念の声も
近隣中学と連携できれば「顧問も2、3人つけられる」
川口市立芝東中で軟式野球部顧問の武田尚大教諭は、こんな視点で地域移行を考える。
「今やるべきは近隣中学との連携など、部活動の精査です。うちは来年、ともに部員が少ない岸川中と合同チームを組みます。現場の実情を考慮し、学校の垣根を越えて協働すれば顧問も2、3人つけられるようになる」
これなら地域移行後の休日も、輪番制で教師による指導が可能かもしれない。
少子化で部を編成できず、専門分野の教師が足りない問題が叫ばれて久しい。さらに教員の長時間勤務も深刻とあり、部活動の抜本的な刷新は是々非々に違いない。
スポーツ庁と文化庁が昨年12月27日に公表した学校部活動と地域クラブ活動のガイドラインの最終章には、「強い覚悟を持ち、子どもの視点に立った地域移行の方向性と対応策を示した」とある。“子どもの視点”を優先できるか、当事者となる自治体の力量が問われる。
(河野 正 / Tadashi Kawano)