イチロー氏に授かった「国宝級」のバット 国学院久我山のネット裏に置いた2つの意味
3月18日に開幕する第94回センバツ高校野球大会(甲子園)に出場する32校(一般選考29校、21世紀枠3校)が発表された。昨秋の東京大会で優勝した国学院久我山は11年ぶり4度目の出場が決定し、春の初勝利を目指す。11月には元メジャーリーガーのイチロー氏から直接指導を受けたが、部には尾崎直輝監督も「国宝級の宝」と表現するバットが授けられていた。
第94回センバツ高校野球、国学院久我山は11年ぶり4度目の出場
3月18日に開幕する第94回センバツ高校野球大会(甲子園)に出場する32校(一般選考29校、21世紀枠3校)が発表された。昨秋の東京大会で優勝した国学院久我山は11年ぶり4度目の出場が決定し、春の初勝利を目指す。11月には元メジャーリーガーのイチロー氏から直接指導を受けたが、部には尾崎直輝監督も「国宝級の宝」と表現するバットが授けられていた。
センバツ決定の報を受け、喜びの記念撮影に臨んだ国学院久我山。中央でガッツポーズを作った上田太陽主将(2年)の手には、黒いバットが握られていた。昨年11月29日から2日間、直接指導を受けたイチロー氏から部に贈られた一本だ。
尾崎監督も「国宝級の宝です」と恐縮する。練習の際にバックネット裏に設置されたテーブルの上に置かれているが、意図については「『これがあったら常に私(イチロー氏)に見られていると思うでしょ?』という緊張感の部分と、『私が教えたことを忘れないでしょ?』という意味合いでいただいた」と説明した。
部員にはもらったバットで素振りをしていいと伝えているものの、恐れ多いのか素振りをする選手はほとんどいない。大切に扱われており、センバツでの“ベンチ入り”も検討されているが、尾崎監督は「持って行きたいけれど、管理の方が大変」「セキュリティ上、いろいろと問題が発生するかもしれない。しまえるような金庫を学校に用意してもらいます(笑)」と冗談交じりに語った。
昨秋の東京大会は、決勝の二松学舎大付戦で9回2死から2点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝ち。明治神宮大会では花巻東に敗れ、1回戦敗退だった。イチロー氏への恩返しを誓う上田主将は「自分たちのいい味を出して、まず1勝できるよう頑張りたい」と、同校のセンバツ初勝利に向けて燃えている。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)