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9連覇以来の復活V帝京大 号泣した主将、メンバー外にも植え付けた「ガツガツ」の意識

全国大学ラグビー選手権決勝が9日、東京・国立競技場で行われ、帝京大が27-14で明大を下した。5トライを奪い、前人未到の9連覇を果たした2017年度以来、4大会ぶり10度目の優勝。PR細木康太郎主将(4年)は「ガツガツと」の姿勢を植え付け、絶対王者復活の立役者となった。

帝京大・細木康太郎主将(手前)は表彰式でも感無量の様子で天を見上げた【写真:中戸川知世】
帝京大・細木康太郎主将(手前)は表彰式でも感無量の様子で天を見上げた【写真:中戸川知世】

全国大学ラグビー選手権決勝

 全国大学ラグビー選手権決勝が9日、東京・国立競技場で行われ、帝京大が27-14で明大を下した。5トライを奪い、前人未到の9連覇を果たした2017年度以来、4大会ぶり10度目の優勝。PR細木康太郎主将(4年)は「ガツガツと」の姿勢を植え付け、絶対王者復活の立役者となった。

 背中で語る主将が泣いた。細木は試合終了間際に交代。ベンチの前でノーサイドの笛を聞いた。トラックで一人、片膝をついて歓喜に浸る。涙が止まらない。優勝インタビューは詰まりながらも声を張り上げた。

「苦しい時でもスタンドにいる仲間を見て、グラウンドで一緒に戦っている仲間の顔を見て、必死に一生懸命頑張りました」

 9連覇した直後の春、夢を持って入学した今の4年生。しかし、1年時に連覇が途絶え、18、20年度のベスト4に進出しても「低迷」の言葉が聞こえてきた。新チームで大切にしたのは「しんどいところでガツガツ行く」。ジャージを着る選手だけではない。主将はスタッフなど全ての部員にも伝え、それぞれが自分の役割を全うするために前のめりになった。

 関東対抗戦を1位で突破すると、大きな試練が訪れたのは2日の準決勝。京産大戦で少しのほころびを突かれた。3トライを許す30失点。後半の27得点で37-30と逆転勝ちしたものの、かつてのような盤石の強さとは言い難かった。決勝までの1週間、フォーカスしたのはタックル。「ディフェンス勝負。ゲームの初めから全員が苦しい、厳しいところでもガツガツ行く」。チームの手綱を取った。

 この日は序盤から手堅い試合運びをした。タックルで突き刺さり、ターンオーバーを連発。コンタクトの強さを見せつけた。20-0から1トライ1ゴールを許し、明大に流れが行きかけた後半23分の自陣スクラム。メンバーを入れ替えた相手に押し負けそうになった。細木は「まずい……」と後手に回ったが、「後ろの押しをもらって前に進めた」と仲間の力で耐えた。

 反則を誘い、ボールを保持。まるでプロレスラーかのように両手を広げて絶叫した。勢いを増したチームはそのまま攻撃権を渡さず。追撃トライを決めたNO8奥井章仁(2年)は「細木さんはあまり喋らないタイプ。でも、ここぞの一言でスイッチが入る。しんどいところで行くのは(メンバー外も含め)見ている全員ができた」と感謝。キャプテンはガツガツと先陣を切り、体を張って戦い抜いた。

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