遠藤保仁が「鬼スパルタ」の部活で得たものとは? 「今の時代の子供たちとは違う」
親は子供を我慢して見守り、子供も我慢を経験する
子供は自分で選択し、考えるようになってきており、部活動の環境も変わってきている。一方、その子供を見守る親は、どうだろうか。試合中、小学生や中学生はもちろん、高校でも親が子供に過度に肩入れし、叱咤する声が聞こえてくる。また、うちの子供をなぜ起用しないのかと、監督やコーチを問い詰めるモンスター系の親もいる。
「基本的に文句の出ないチームは絶対にないので、指導者の立場で言えば文句が出て当たり前って感じで受け止めて、それでもブレずに『うちのやり方はこうです』っていうのを示していけばいいと思う。『絶対に口出ししないでください』と言っても、言う親は言いますしね。自分は、口出ししたことはない。練習を全部見ていないし、監督やコーチに意見を求められたこともないんで。でも、それで良いと思います。任せているんですからね」
遠藤の性格上、自分からは特に言わず、子供が聞いてきたことのみに反応しそうだが、答えを最初から与えてしまっては子供の成長は鈍化する。親は子供を我慢して見守り、子供はいろんなことを考えて我慢を経験し、成長していく。そこは、部活もクラブユースも同じだ。
■遠藤保仁
1980年1月28日生まれ、鹿児島県出身。3人兄弟の三男として幼少期からサッカーに熱中し、鹿児島実業高校卒業後の1998年に横浜フリューゲルス加入。1年目からJリーグで活躍すると、京都パープルサンガ(当時)を経て2001年にガンバ大阪に完全移籍した。司令塔として攻撃的スタイルの中核を担うと、J1優勝2回、2008年AFCチャンピオンズリーグ制覇などクラブ黄金期の確立に大きく貢献。日本代表でも長年にわたって活躍し、W杯に3度出場した。国際Aマッチ152試合出場(15得点)は歴代最多記録となっている。昨年10月にジュビロ磐田へ期限付き移籍、プロ24年目の今季もレギュラーの1人としてJ1昇格を果たしたチームを支えた。
(佐藤 俊 / Shun Sato)