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キャプテンは完璧じゃなくていい “ラグビー界最高の主将”がジュニア世代に贈る言葉

廣瀬さんが認めるリーチの凄さ「成長を求めていた」

――日本代表のキャプテンと言えば今はリーチ(・マイケル)の印象があります。改めてリーチのキャプテンとしての凄さを教えてください。

「まずプレーが凄いのは誰もが認めるところです。背中で引っ張るという事に関しては、何も言うことがありません。一方でオフザグラウンドは元々はあまり得意ではなかった。それが2014年からキャプテンになって、色々なことに取り組むようになりました。君が代を歌ったり、神社に行ったり、俳句を学んだり。日本の伝統や文化、歴史を学んで、日本代表としての覚悟も変わったと聞いています。リーチ自身がキャプテンとしての成長を求めていました。素晴らしいことです。彼の持っている学びへのポテンシャルがあったからだと思います」

――リーチがある意味日本人以上に日本人らしいと言われるのも納得です。ジュニア世代には、どうチームを引っ張っていけばいいか悩んでいるキャプテンも少なくないと聞きます。そんな若いキャプテンたちにアドバイスを頂けますか。

「まず1番は自分らしさが大事。自分はどんなことに興味があって、どんなチームを作りたいのか。そういったものを確立できて、言語化できると良いかもしれません。もう1つは部員、チームメートのことを信頼すること。全部を自分ひとりでやろうと思う必要はありません。完璧である必要はなくて、周りと一緒に成長したり、苦手なことは周りに助けてもらったりしてもいい。完璧なキャプテンよりも、少しくらい弱いところがあるほうが、周りは親しみももてて嬉しいのではないかと僕は思います」

――キャプテンが変わることでチームは強くなったり、逆に弱くなったりすると想像できます。実感として、何%変わるのでしょうか。
「社会人ならメンバーが変わらず、キャプテンだけが変わることもあります。周りのリーダーとの兼ね合いもあるので、あくまで個人的は感覚ですがキャプテンが変われば10%くらいは変化するかもしれないですね。高校生だと代替わりするので比較が難しいですが、社会人よりも大きく変わる可能性もあります。若い方が、キャプテンが持つリーダーシップに触発されやすい。そういう意味ではキャプテンがチームを左右する可能性は大人よりも大きいかもしれません」

(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)

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廣瀬 俊朗

THE ANSWERスペシャリスト 元ラグビー日本代表 実業家

1981年10月17日生まれ。大阪府出身。5歳からラグビーを始め、北野高(大阪)、慶大を経て、東芝入り。07年日本代表初選出。主将も務め、キャップ数28。16年に現役引退後、ビジネス・ブレークスルー大学大学院で経営管理修士(MBA)取得。公式アンバサダーを務めた19年W杯は解説のほか、国歌を歌って各国をもてなす「Scrum Unison」、TBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」出演など、幅広い活動で盛り上げた。現在は株式会社HiRAKU代表取締役。ラグビーにとどまらずスポーツの普及、教育、食、健康に重点を置いた様々なプロジェクトに取り組む。日本テレビ系「news zero」木曜パートナーとして出演中。

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