流経大柏の伝統的キャプテンマーク 1枚の布切れに宿る「嫌われてナンボ」精神
1年間担ってきた嫌われ役が生んだ結束力
「1年間、嫌われ役を担ってきました。走る時も厳しい言葉を掛け続け『そんなんだったら帰れ』ときつく当たったことも何度もある。悩んでいた時期は主将を務めてきた先輩たちに『嫌われてナンボなんだぞ。嫌われるように取り組んでいけ』と言ってもらえて、自分の中で覚悟ができました」
それでも、茨の道を選んだキャプテンの苦労をチームメートはちゃんと理解していた。MF菊池泰智(3年)は「ある時から、優太が嫌われ役を買って出てくれていたことは皆、わかっている。だから、優太の苦労を少しでも僕らが背負えることができれば」と、宮本を中心にチームは着実に結束力がもたらされていった。
昨年は負傷により手術を強いられ、ピッチに立てない辛い時期も過ごした。紆余曲折を経て、キャプテンとして挑む選手権制覇まで残り1勝。しかし、宮本にとって、キャプテンマークこそが主将という役割を示す重要な存在というわけではなさそうだ。
「皆が僕についてきてくれたこと。それこそが、僕にとってはキャプテンの証」。そう力強く語った“愛される嫌われ者”は8日、埼スタで最後のキャプテンマークを身につける。
(THE ANSWER編集部)