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エースがPKを外すということ 清水桜が丘が敗退を笑顔で受け入れられた理由

「お前がいたから、ここまで来れたんだぞーーー!!」

清水桜が丘FW白井海斗【写真:編集部】
清水桜が丘FW白井海斗【写真:編集部】

清水桜が丘が1回戦敗退、PK戦の末に高川学園に競り負ける

「お前がいたから、ここまで来れたんだぞーーー!!」

 試合後、応援席から大きな声が響き渡った。それは、敗退で失意に沈むエースに投げかけられた言葉だった。

 第96回全国高校サッカー選手権大会は31日、各地で1回戦が行われ、フクダ電子アリーナで開催された第1試合で清水桜が丘(静岡)と高川学園(山口)が対戦。清水桜が丘は1-1で迎えたPK戦の末、3-5で競り負けた。

 清水桜が丘は2013年、選手権3度の優勝を誇る名門・清水商と庵原が再編、統合されて設立。清水商はかつて元日本代表MF名波浩(現ジュビロ磐田監督)や同DF大岩剛(現鹿島アントラーズ監督)、同MF藤田俊哉(現VVVフェンロコーチ)ら日本サッカー界を象徴するレジェンドを多数輩出している名門だ。

 今大会は開校後初の本大会出場となったが、天才MF小野伸二(現コンサドーレ札幌)が着用していたエースナンバー「8」を背負う主将FW白井海斗(3年)が大会直前に左肘を負傷。最後の2、3週間はリカバリーに時間を注いだこともあり、万全の状態で迎えることは叶わなかった。

 それでも0-0の後半8分、相手を攻めあぐねている状況が続く中、ベンチスタートとなっていた白井に声がかかった。タッチライン際に立った際、大きく深呼吸すると、交代選手と抱擁を交わし、勢いよくピッチに駆け出していった。

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