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「緊張を認める勇気持てば景色が変わる」 ソフトテニス界初プロ選手が高校生にエール

プラスαを用意して接した質疑応答、「スプリットステップのコツ」は?

 そして授業は生徒からの質問コーナーへ移っていった。ここでしか聞くことのできない技術論について、続々と高校生の手が挙がり、質問が飛んだ。

――スプリットステップのコツを教えてください。

「スプリットステップも含めて、素早い動きをしようと思ったら余裕を持った立ち方をしていないといけない。だからステップの踏み方よりも立ち姿を意識することが大事で、そこで気持ちの余裕を相手に見せたい。踏ん張っているほうが頑張っている感じは出るかもしれないけど、その頑張りはキャパシティオーバーの状態に近くて、相手にとってプラスの要素になってしまう時もある。僕は相手がただ立っているように見えるほうが嫌。リラックスして膝を曲げて、力を入れるのも足の裏ではなく股関節を固めるような感じにする。もちろん両足のスタンスの幅も大切になってくる」

――私はレシーブを打つ時に面が定まりません。レシーブを打つ時はどんなことを考えていますか?

「面が定まらない時は、前へ出ることも考えながら、打つことも頭に入っていて、それがどっちつかずの状態になっているからだと思う。面がズレてしまったら、という不安もあるはず。レシーブのポイントとしては、面に当たる前後15センチくらいだけに集中して、フォアもバックもできるだけ同じ軌道で打つことを考える。それからサーブが来る前に最初から打つコースを決めておくのも有効。打つ場所を決めておいて自信を持ってインパクトに集中する」

 ただ質問に答えるだけでなく、船水はプラスαを用意して生徒に接していく。オンラインとは思えないほど授業が熱を帯びてきた。

 そしてアドバイスは練習方法にも及んでいく。

――風上から攻撃に出るコツを教えてください。

「まず風下と風上では、風上のほうが難しい。風上の条件を作る練習方法としては、自分の後ろからボールを投げてもらう。前から飛んでくるボールを打っているだけで伸び悩んでいる時に、僕は後ろから投げてもらって突破口を見出す。あとはできるだけ顔の近くを打点にすること」

――自分はサーブの時にファーストとセカンドの違いがあまりない。それとネットにかかってしまうことが多い。

「サーブはファーストを速くして、セカンドを遅くしなければいけないというルールはない。僕はフルパワーが100%だとしたら、ファーストが70%くらいの力で、セカンドは40~50%くらいの力で打っている。それでサービスエースを狙う時だけ90%くらいにしている。試合では緊張して、手が震えることもあるはず。そして緊張している時は自分が思っているよりも力が入ってしまうもの。だから試合では練習の時よりもプラス10%くらいの力になっていると考えたほうがいい。練習から80%、90%の力で打っていると試合での調整が難しいので、練習では50%から60%くらいでいいと思う。唯一、自分から始められるショットなので、自分なりの形を見つけてほしい」

 高校生は斬新な練習方法を知り、プロならではの微妙なパワーコントロール術を聞いた。明日からの練習がさらに充実したものになること間違いなし。自然と笑顔が溢れる場面から、それが伝わってくる。

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