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高校生よ「1人で悩まないで」 “不安明かす大切さ”知るケイリン脇本雄太のエール

伸び悩んでいた高校1年時を回顧「基準を自分の中で作ってしまっていた」

 続く質問コーナーでは、「技術」「メンタル」「将来」という3つの項目で、現役自転車競技部に所属する生徒たちからの声を聞いた。脇本はナショナルチームの一員として得た経験・知識を惜しみなく話していた。

 例えば、「試合前になると緊張しすぎていつものような走りができなくなることがある。緊張を和らげる方法を教えてほしい」という質問に対しては、五輪選手も取り入れているルーティンを伝授した。

「一番の方法は、僕もやっているんだけど呼吸。わかりやすく言うと、吸った呼吸の倍、吐く。例えば4秒吸ったら、8秒間かけて吐くという動作が落ち着くけれど、あまりにもそれを意識しすぎてもダメ。無意識にやるように、練習の時からシミュレーションとしてやっていくというのを徐々に積み重ねていくのが、本番でしっかり成功できる秘訣だと思う。

 例えば普段のタイムトライアルで、スタート直前にあらかじめ動作を決めるというのがある。それがルーティンというのだけれど、ルーティンを決めて、呼吸も例えば3秒鼻で吸って、6秒かけて口で吐く、という動作を練習の時から叩き込めば、本番でも練習の雰囲気のまま戦えるようになる。五輪選手もやっていることなんだけれど、しっかり参考にしてもらえたらと思っています」

 高校生でも手軽に参考にできる事例を紹介した脇本。自身は実績十分の高校生活を過ごしたが、伸び悩んだ経験も明かした。「過去にタイムが伸びなくて悩んだ時期はありましたか? それをどう乗り越えましたか?」という質問が飛んだ時だ。

「もともと国体で1000メートルをやってたけど、その前は個人追い抜きという種目をずっとやっていて。その時のタイムが1年生の時はすごく悪くて、3000メートルのタイムトライアルでいうと4分10秒以上かかっていたことが多々あった」

 なかなかタイムが伸びないとき、どんなことを考えていたのか。「その時って、自分の体力がどれだけ持つか考えながら走っちゃう傾向があって、基準を自分の中で作ってしまっていた」と当時を回顧。こう続けた。

「その基準を自分の中で『止めよう』って思った瞬間が一番タイムが伸びる瞬間だと思います。ただ、そこってなかなか自分ひとりでやるのってすごく難しくて。1人で実行しようとせず、高校の先生などに1周のタイムをしっかり測ってもらって、その疲れ具合を記憶して(基準を)作るというのが一番効果的かなと思う。一度、最初から最後まで全力でやってみる。やった後、そこから自分で基準を作っていくというのが近道だと思います」

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