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「今、思いがある先生ほど悩んでいる」 名将・佐々木則夫が部活指導者に贈ったエール

サッカーの世界一名将が、悩める全国の教職員にエールを届けた。女子日本代表「なでしこジャパン」監督として、11年ワールドカップ(W杯)優勝に導いた佐々木則夫氏が14日、「インハイ.tv」と全国高体連が「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。インターハイが中止となり、部活動の運営も制限される中、悩める全国の教職員について「今、思いが強ければ強いほど、先生はモチベーションが下がり、思い悩んでしまう状況にある」と心中を思いやった。

初の指導者が対象となった「オンラインエール授業」【写真:編集部】
初の指導者が対象となった「オンラインエール授業」【写真:編集部】

なでしこジャパンでW杯制覇の名将、「オンラインエール授業」で全国の教職員に講義

 サッカーの世界一名将が、悩める全国の教職員にエールを届けた。女子日本代表「なでしこジャパン」監督として、11年ワールドカップ(W杯)優勝に導いた佐々木則夫氏が14日、「インハイ.tv」と全国高体連が「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。インターハイが中止となり、部活動の運営も制限される中、悩める全国の教職員について「今、思いが強ければ強いほど、先生はモチベーションが下がり、思い悩んでしまう状況にある」と心中を思いやった。

 困難に立ち向かっているのは、先生たちも一緒だった。佐々木氏が登場した「オンラインエール授業」はインターハイ実施30競技の部活に励む高校生をトップ選手らが激励し、「いまとこれから」を話し合おうという企画。過去3回は村田諒太、川口能活さん、那須大亮さん、大山加奈さんという現役、OBのアスリートが各部活の生徒たちを対象に授業を行ったが、第4回は初の指導者が対象。子供たちと同様に未曾有の出来事に直面する教職員に対し、独自の指導論を説いた。

「実は大学を卒業した後には学校の先生になりたいと思っていたんです。しかし、いろんな手はずが整わず、違った人生に行きました」と冒頭で意外なエピソードを明かした佐々木さん。「皆さんも今、様々な形で学校の活動が行われていると思うけど、まだまだ予断を許さない状況で、授業、部活とこれまでに経験のない大変な状況で頑張っていただいている。同じ指導者として、ざっくばらんに話し、何か少しでも一助になれれば」と挨拶した。

 まず、最初に語ったのは「指導者として最も大切にしていること」というテーマだった。「指導者人生がスタートした頃はトライ&エラーだった」と振り返った佐々木さん。選手たちと向き合う中で一歩ずつ成長していく中で転機になったのが、日本サッカー協会が行った講演に参加し、耳にした元フランス代表監督ロジェ・ルメール氏の言葉だった。

「指導者は学ぶことを止めたら、指導者を辞めるべきだ」

 佐々木氏は「まさにそうだと思った。私自身も学びが足りなかった。人が人を指導する意味で、様々な視点から学ぶようになった」と振り返る。この転換点があり、なでしこジャパン監督に就任するチャンスにつながっていったという。なかでも、自身の指導者として大切にしているキーワードとして「洞察力」を挙げた。その真意を今の社会状況になぞらえ、こう説明する。

「様々な状況に直面し、自分で考えて決断し、導いていかなければいけない。サッカーの試合も、試合に向けた準備も、いろんな変化が起こる。その中でしっかり洞察力を持って、どう振る舞うかが重要になる。今の状況もまさにそう。誰も経験したことがない状況において、生徒たちにどんな姿を見せるか。各県においても状況は違っても、その洞察力が重要であることは間違いない」

 誰もが予期せぬ社会の変化。それは、佐々木氏自身が経験し、乗り越えた出来事でもある。

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