フィギュアは「採点競技だから」と言われたくない 五輪解説者・本田武史の葛藤と自負
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#4 本田武史の「北京五輪展望」第1回
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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羽生結弦(ANA)、宇野昌磨(トヨタ自動車)、鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)が出場する男子シングルは、今大会もメダル獲得の期待が高まっている。本番を前に1990年代後半から2000年代前半にかけて活躍し、五輪にも2大会出場したプロスケーターの本田武史氏をインタビュー。テレビ解説者としてもお馴染みとなるなか、フィギュアを言葉で伝える難しさや心に残っている一言などについて聞いた。(取材・文=松原 孝臣)
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2002年ソルトレークシティ五輪で4位入賞を果たしたのをはじめ、世界選手権では2002、03年と連続で銅メダルを獲得。フィギュアスケートの元男子シングル選手だった本田武史は、日本人として史上初めて競技会で4回転ジャンプを成功させた名ジャンパーでもあった。
日本男子フィギュアの新たな可能性を切り拓いた競技生活から退いた後は、指導者として、アイスショーなどに出演するプロスケーターとして、そして解説者として活躍してきた。
本田が初めて解説者を務めたのは2006年3月、カナダ・カルガリーで行われた世界選手権でのこと。そこをスタート地点として今日まで活動を続けているが、当時と現在とでは変化を感じるという。それは「専門用語」だ。
「最初の頃、苦労したことがあります。例えば、『GOE』ですね」
ジャンプなど各要素の出来に応じて、プラス、マイナスの評価がされる。「出来栄え点」と言われることもある。現在は+5から-5まで11段階に分かれていて、それに応じて点数に変換され、加点、減点されることになる。
「今はGOEと言って伝わりますが、その頃は世間に知られている時代ではなかったので、違う表現の仕方が難しかったです」